インタビュー記事とは?進め方や書き方と惹きつけるポイントを解説
インタビュー記事とは、自社の社員や取引先、著名な方などへの取材を基にして執筆された記事のことです。
インタビュー記事は採用ページへの掲載を目的とした先輩社員インタビューや、取引先に自社商材の導入のきっかけや感想を質問するなどさまざまな切り口があります。
取材対象であるインタビュイーの人柄や伝えたいことを充分に記事にすることができると読者を惹きつける読み物になる一方で、準備や書き方にライターのスキルが必要とされます。
そこで、本記事ではインタビューの事前準備や当日の進め方、インタビュー記事の書き方、読者を惹きつけるインタビュー記事のポイントについて詳しく解説します。
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インタビュー記事とは
インタビュー記事とは、自社の社員や取引先、著名な方などへの取材を基にして執筆された記事のことです。採用ページ、オウンドメディア、パンフレットなどに掲載されることが多く、目的も新入社員の獲得から取引先へのアプローチまでさまざまです。
多くが対談形式のコンテンツなので、堅苦しすぎずインタビュイーの人柄も含めて伝えられるのが大きなメリットと言えるでしょう。業種・職種・商材を限定せずアプローチに使える手法であることから、近年多くの企業がインタビュー記事作成に挑戦しています。
具体例として、弊メディアで行っているインナーコミュニケーションインタビューを紹介します。さまざまな企業の人事や広報担当者、著者に社内コミュニケーションや制度を語っていただきました。
インタビュー記事の形式
インタビュー記事の形式は、大きく分けて3つ存在します。下記で詳細を解説するので、チェックしてみましょう。
対談形式
対談形式はインタビュー記事のなかで最も多い形式であり、インタビューする側の「インタビュアー」と回答する側の「インタビュイー」とが交互に発言する形式で記載されます。
実際に目の前で会話がおこなわれているような感覚で読めるほか、話し言葉の割合が高くなっても違和感が少なく、フランクに読めるコンテンツになることが特徴です。質問項目の多いボリューミーな記事になっても、飽きずに読み進めやすいこともメリットとして知られています。
一人称形式
一人称形式は、インタビュイーがひとりで話しているかのようにまとめる形式で記載されます。表彰式や入社式など大勢が参加する場におけるスピーチのような形式をイメージすると、わかりやすいでしょう。
人柄やメッセージが伝わりやすく、採用パンフレットに掲載される社長からのメッセージなどで目にすることが多いです。「です・ます調」のシンプルな文体なので、読み進めやすいことも特徴です。
ルポタージュ形式
ルポルタージュ形式は、第三者の立場から解説するような形式で記載されます。論理的かつ客観的な伝え方ができるので、ニュースサイトのコラムなどインタビュー以外のシーンで活用されることも多いです。
記事全体に説得力を持たせたいときや、「だ・ある調」の硬質なテイストにしたいときに活用していきましょう。
インタビュー取材の事前準備
インタビュー記事を作成するには、まずインタビュー取材の事前準備から始めます。ここでは準備したい項目について触れるので、準備に抜け・漏れがないかチェックしたいときにお役立てください。
インタビュー記事の目的と企画を決める
まずは、インタビュー記事の目的・企画を決定します。
例えば新卒採用に向けたパンフレットにインタビュー記事を掲載する場合、学生が親近感を抱きやすい20代から30代の若手社員へのインタビューにするのが理想です。複数名のインタビューを掲載するのであれば、マネジメント側の役職者などを選定してもよいでしょう。
反対に、自社製品のパンフレットにインタビューを掲載するのであれば、開発に携わったプロジェクトリーダーや経営者にインタビューを実施します。目的や企画次第で方向性が大幅に変わることを理解しておきましょう。
インタビュイーを選定しアポイントを取る
前項で可視化した目的・企画に合わせて、インタビュイーを選定します。親近感を抱きやすい人・専門知識のある人・華やかな実績と経験を持つ人、など対象となる人物像を定め、社内からアテンドするのが理想です。
アポイントを取る際は、本来の業務やプライベートの時間を大幅に妨げないよう配慮することが重要です。相手への敬意を払い、丁重に協力を願い出ましょう。
事前リサーチを行う
インタビュイーについて、事前にリサーチをしておきます。
人柄を伝えたいインタビューであれば、出身地・出身校・学生時代の部活・趣味・プライベートの過ごし方など、わかる範囲でリストアップしておきます。製品に関する開発にインタビューであれば、過去のプロジェクト内容・売上・自社が抱えていた課題・プロジェクトチーム発足の敬意などをリストアップするのが理想です。
また、最低限の専門用語を学ぶなど、インタビューする側の知識を強化しておくことも大切です。
質問内容を作成する
目的や企画に合わせて、質問内容を決めていきます。
ひとつの質問に対してひとつの回答で済む「一問一答式」を意識することがポイントですが、箇条書きになると機械的なインタビューになりやすいので注意しましょう。あくまでもコミュニケーションしながら聞くことを前提し、質問項目に柔軟性を持たせることが大切です。
また、絶対に質問したい項目と、時間があれば質問したい項目とに分け、優先順位をつけていくことも意識しましょう。
インタビュイーに取材内容を共有する
取材の目的・掲載場所・公開日など、取材内容をインタビュイーに共有します。また、質問内容を事前に伝え、数字やデータが必要な項目があれば準備してもらいましょう。
目的を正しく共有できていないと、インタビュイーは当日まで「自分に何が求められているのだろう」「どんなことを回答すればいいかわからない」と不安になりやすいものです。およその方向性を示し、脱線しすぎることを避けながら効率のよい進行を意識していくことが重要です。
インタビュー取材の当日の進め方
ここからは、インタビュー当日の進め方を紹介します。質問したいことを漏れなく聞きながら時間内に終えることを意識し、進行を事前に確認しておくのがおすすめです。
持ち物の確認をする
持ち物は事前に確認し、忘れ物がないようにチェックしておきます。社内の会議室など忘れ物を取りやすい場所でインタビューする場合でも、中座を防ぐため必ず確認しておきましょう。
主に、下記の持ち物について確認します。
- パソコン
- カメラ
- ボイスレコーダー
- (必要があれば)名刺、パンフレット、資料など
ボイスレコーダーは、万が一の機材不調や電池切れで録音できない事態を防ぐため、複数台持参するのが理想です。インタビュイーが複数いる場合は、それぞれの前に設置しておきます。
雑談で緊張を解く
インタビュー前は、雑談をしてインタビュイーの緊張を解きます。普段からよく会話する顔見知りであっても、アイスブレイクの時間を設けておくのがおすすめです。
もしくは、インタビュー開始直後に練習を兼ねて本筋と異なる質問をいくつか投げかけるのも効果的です。「この前のお休みは何をして過ごされましたか?」など気軽に答えられる質問を選定し、投げかけてみましょう。
インタビュー趣旨の説明をする
インタビューの趣旨は、あらかじめ伝えている場合でも当日改めて説明しておきます。特に、掲載メディアの紹介・当日の流れ・終了予定時間・記事公開の予定日時などを伝えるのがポイントです。
また、事前に録音の撮影の許可も得ておきましょう。「この資料は写真に移してほしくない」「一部オフレコでお願いしたい話がある」などインタビュイーの都合も聞きながら、後日のトラブルを予防することが重要です。
渡した質問をもとにインタビューを行う
事前に提示した質問をもとに、インタビューを実施します。基本的には質問項目に沿うことになりますが、回答の内容次第ではフレキシブルに追加質問をしながら話を掘り下げていきましょう。
併せて、タイムコントロールをおこないます。時間内に効率よく終えられるよう質問の構成を考えながら、最低限必須の質問だけは完了できるよう努めます。メモを取ることに集中しすぎず、ある程度録音に頼ることを前提に相手の話に傾聴することも重要です。
写真撮影を行う
最後に、写真撮影をおこないます。時間次第ではインタビュー開始前に撮影したり、インタビュー中の様子を写真に収めたりすることも可能です。
立ち位置を変える、光を調整する、真面目な写真と笑顔の写真と両方撮影するなど、さまざまなパターンを用意しておくと安心です。また、縦写真と横写真を共に撮影するなど、後日使いやすい素材になるよう工夫しておきましょう。
ただし、インタビューのメインはあくまでもインタビューであり、写真撮影に時間をかけすぎないことが重要です。
インタビュー記事の書き方
インタビューが無事に終了したら、いよいよ記事化へ進みます。ここではインタビュー記事の書き方を解説するので、ひとつずつ参考にしてみましょう。
文字起こしをする
まずは、インタビュー当日に録音した音声データをもとに文字起こしをおこないます。1時間程度のインタビューを文字起こしするのに必要な時間は、およそ4~5時間とされています。事前に工数を計算し、公開時期から逆算してスケジュールを考えておきましょう。
インタビュイーの話し方や口癖も含めて文字起こししたい場合、「あー」「えーと」などの言葉も含めて素起こしをおこないます。反対に、最低限無駄な言葉だけを取り除いて文字起こしするのであれば、「あー」「えーと」などをなくしたケバ取りをするのが一般的です。
初めから記事のテイストで文字起こししたいのであれば、ある程度文章の内容が整理できるよう整文による文字起こしをするのが近道です。
記事の流れや構成を考える
質問のカテゴリや流れを見ながら、記事全体の構成を考えます。ただし、必ずしもインタビュー当日の流れに沿わなければいけないとは限りません。
例えば、商品のPR用インタビュー記事であれば、早速商品の特徴や開発秘話から入ることが多いです。反対に採用向けインタビュー記事であれば、担当業務の解説や普段の過ごし方などから取り上げるのが一般的でしょう。
順序次第で記事の印象も大きく変わるので、目的に合わせて考案することが重要です。
構成をもとに執筆する
前項で策定した構成をもとに、文字起こしの内容をみながら執筆を始めます。
フランクな文体になるよう話し言葉のように記載するのもひとつの手法ですが、話し言葉をそのままテキストに起こさないことを意識しましょう。「~っぽい」を「~のよう」に書き換えたり、「本気で頑張った」を「全力で努力しました」にしたり、さまざまなアレンジが可能です。
インタビュイー本来の魅力が伝わるように最小限のアレンジにしつつ、読み心地を損ねないようにすることも大切です。
校正・編集を行う
誤字・脱字がないか、項目ごとの文字数に極端な偏りがないか、写真やアイコンの挿入位置が適切かなど、総合的な校正・編集を確認します。また、シンプルなミスだけでなく専門用語の解釈が合っているか、インタビュー時の内容と異なる記載になっていないかなども、細かく確認しておきましょう。
可能であれば複数名のチェックを受け、本来の目的に沿った内容になっているか確認してもらうのが理想です。
インタビュイーへ最終チェックを依頼する
記事が完成し次第、インタビュイーに最終チェックを依頼します。「意図した内容と異なる記載がされてしまっている」など気になる点がないか確認してもらい、必要に応じて修正しましょう。
問題なければ公開の準備を進め、公開後もお礼を添えて報告するのがおすすめです。
読者を惹きつけるインタビュー記事にするコツ
最後に、読者を惹きつけるインタビュー記事にするコツを解説します。せっかくインタビューした記事は、多くの人の目に触れてほしいものです。ここでは、「読んでもらう」ためのエッセンスを学んでいきましょう。
インタビュイーが答えやすい質問をする
インタビュイーが答えやすいよう質問の仕方を工夫し、話を的確に掘り下げることが重要です。反対に、抽象的な答えが続いてしまう場合は読み手の印象も薄くなってしまうので、注意しておきましょう。
例えば、「Yes or No」で答えられるシンプルな質問と、自由に答えられる質問とを組み合わせる方法があります。他にも、具体的なエピソードをインタビュアー側から提示するなど多数の方法があるので、検討してみましょう。
インタビュイーの言葉の補足や言い換えをする
インタビュイーの言葉を読者により正確に伝えるには、言葉をそのまま書くのでは不十分であることが多いです。インタビュー中に言葉の補足や言い換えをおこない、「~ということですよね?」と確認を取りましょう。そうすることで、表現できる言葉の幅が大きく拡大します。
インパクトのあるフレーズにしたり、記憶に残る単語を活用したりするのもひとつの手法です。
インタビュイーの人柄が伝わる文章にする
インタビュイーの人柄が伝わる文章にするため、パーソナリティを活かした文章にすることを心掛けましょう。
例えば、エピソードを多めに盛り込んだり、口癖や話し方を少し真似て書いてみたりするのが効果的です。インタビュー記事で話し言葉を多用するとラフになりすぎてしまいますが、読者層によっては「(笑)」などの記号や「!?」などを使ってもよいでしょう。
記事タイトルの付け方を工夫する
キャッチーかつ印象に残る記事タイトルにすることも重要です。具体的なエピソードの一部や数字を活用し、思わず「読んでみたい!」と思わせるようなタイトルになるよう工夫していきましょう。
一例として、「偏差値40から半年で逆転合格!」「発売と同時に5時間の列ができた幻の一品」などのタイトルが挙げられます。他にもインタビュイーを表す象徴的な出来事や記事全体を通して伝えたいことがあれば積極的にタイトルに盛り込み、アプローチしていくことが重要です。
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読者を惹きつけるインタビュー記事を
インタビュー記事は、硬質になりすぎず自然に読み進められるコンテンツとして多くの企業で採用されています。新卒向けの先輩社員インタビュー、製品パンフレット用の開発者インタビュー、社内報に記載する成績上位者インタビューなど、目的・用途も多数存在するのでチェックしてみましょう。
本記事で紹介したインタビューの流れを参考に、読者を惹きつけるインタビュー記事づくりを意識してみてはいかがでしょうか。