社内コミュニケーションを活性化させる8つの施策|メリットや企業事例も紹介
コロナ禍によって社内に出社する回数が減ったり、社内イベントを実施する機会がなくなったりとタテとヨコの繋がりが薄れてきている企業も多いのではないでしょうか。
そんななか、社内のコミュニケーションを活性化させるかが重要視されています。
そこで本記事では社内コミュニケーションを活性化させるメリットや施策を紹介し、実際の事例を解説します。
社内コミュニケーションの活性化とは?
社内コミュニケーションとは、社員間での情報共有を示す用語です。
業務に最低限必要な情報共有・上司からの指示・部下からの報告などを示すこともあれば、日常的におこなわれる何気ない雑談を示すこともあります。
業務効率・生産性共に高い会社は、社内コミュニケーションが活性化していることが特徴です。
ひとりだけで完結する仕事は滅多にないことを考えれば、社員間での情報交換は必須だと言えるでしょう。
主に、「必要な情報がいつでも手に入り、情報格差がないこと」「役職・部署・年代の垣根なく気軽なコミュニケーションできること」「業務上必要な情報が整っており、ミスコミュニケーションが起きないこと」が、活性化に必須の要素とされています。
社内コミュニケーションを活性化させる6つのメリット
ここでは、社内コミュニケーションを活性化させるメリットを紹介します。
社内コミュニケーション活性化施策により得られる効果でもありますので、ひとつずつチェックしていきましょう。
従業員帰属意識と満足度の向上による離職率の低下
社内コミュニケーションが活性化すると、離職率の低下を叶えやすくなります。
例えば、風通しがよく誰とでも気軽にコミュニケーションが取れる会社であれば、自然と働きやすさも上がるでしょう。
仕事もやりやすくなり、従業員満足度が向上するため、離職率は自ずと低下します。
反対に、社内コミュニケーションがきちんと取れていないと、会社への帰属意識が下がります。
「あえてこの会社で働く意味がない」と思われ、転職を促しかねません。
社内コミュニケーションの活性化に取り組む企業が多いのは、離職率低下を狙っている企業が多いからとも言えるのです。
タテ・ヨコの風通し改善による情報共有・意思疎通が活性化
役職・部署・年代の垣根なくコミュニケーションができれば、いわゆる「タテ・ヨコ」の風通し改善につながります。
若手であっても委縮せず発言したり、上司であっても素直に教えを乞うたりできれば、情報共有がしやすくなるでしょう。
また、分からないことを分からないと素直に問いやすく、意思疎通がしやすくなるというメリットも生じます。
ミスコミュニケーションによる業務ロスを防ぐという意味でも、社内コミュニケーション活性化に着手する意義が見出せます。
モチベーションUPによる生産性の向上
自分の意見を周りに聞いてもらうことは、モチベーションの向上につながります。
積極的な発言や提案がしやすくなり、前向きに仕事を頑張れるようになるでしょう。
生産性も上がり、社員ひとり当たりのパフォーマンスが上がることもメリットのひとつです。
また、自分の意見を聞いてもらえるようになることで、同じように相手の意見に耳を貸そうと感じる気持ちも育ちやすくなります。
誰もが発言しやすい社風であると思われれば、社員の定着率も上がります。
イノベーション創出の可能性
誰もが発言しやすい社風にすることで、イノベーション創出の可能性が上がります。
今までは役員・経営層・部署長だけが経営に関わる決定をしていた会社が、若手や現場からの意見に耳を傾けたことで、これまでにないヒントが得られたというケースを耳にする機会があるでしょう。
このようなイノベーションを起こすには、誰もが気軽に発言できるような社内コミュニケーションが取れていることが重要です。
情報発信をする役割が一部の社員にのみ偏っていないか、改めて見直すことがポイントです。
顧客満足度の向上
社内コミュニケーションが活性化されることは、生産性や業務効率の向上に直結します。
ミスコミュニケーションが起きないため業務の抜け・漏れがなくなったり、ひとりに話した内容が他の社員にも自然と共有されていたり、多くのメリットが得られるでしょう。
結果として社員ひとりひとりのパフォーマンスが上がり、顧客ベースのサービスができるようになります。
顧客満足度も向上しやすく、リピーターや紹介の獲得につながるかもしれません。
会社の収益性が大きく上向く可能性もあり、さまざまなメリットがあることが分かります。
企業イメージや企業ブランドの向上
顧客満足度が上がっていい口コミが回ったり、社員が親しい友人を誘うリファラル採用が活発化したりすることで、企業イメージが上がります。
「あの会社の社員はいつも生き生きとしている」
「自社の内容が的確に共有されているので、誰にオーダーしてもいい安心感がある」
と思ってもらえれば、自社の市場価値も高くなるでしょう。
これらが巡り巡って、新規顧客や新規人材の獲得につながる期待も生まれます。
今後事業拡大を狙いたい会社にとっては、大きな助けとなります。
社内コミュニケーションを活性化させる8つ施策
ここでは、社内コミュニケーションを活性化させる施策を紹介します。
具体的にどんな取り組みをすればいいか分からない場合や、今実行している施策以外の可能性を模索したい場合に、お役立てください。
社内イベント
新年会・忘年会・運動会・誕生日パーティー・バーベキューなど、社内イベントを開催する方法です。
部署を超えた参加メンバーの選定がしやすく、普段コミュニケーションを取る機会が少ない部署の人とも会話しやすくなるでしょう。
また、オフィス以外でおこなわれることが多いため、業務外のコミュニケーションも促進されます。
家族の話・趣味の話など、フランクにお互いの情報を交換する場として最適です。
社内報
社内報は、経営者からのメッセージをトップダウンで周知させたり、経営の方向性について共通認識を設けたりしたいときに便利です。
場所を選ばずいつでも誰でも閲覧できるため、複数の拠点を持つ会社とも相性がよいでしょう。
また、社員インタビューやプロジェクト紹介など、コンテンツを充実させれば会話のきっかけとしても効果的です。
自社のことをより詳しく知らせつつ、コミュニケーション活性化の施策も取りたい場合は、社内報の導入を検討してみましょう。
社員面談
上司と部下が定期的に面談することで、普段は言いづらいことも言えるような場を作れます。
人事評価・賞与評価時のフィードバック面談とは異なり、お互いフランクに発言する場としてイメージするのがよいでしょう。
そのため、月に2~3度程度、頻度を高めに実施することがポイントです。
仕事上発生している悩みやプライベートでの困りごとなど、幅広く対話できるきっかけにもなるでしょう。
社員研修・ワークショップ
社員研修を開催し、社員のスキルアップを図りながらコミュニケーションを活性化させる方法です。
一方的なノウハウ指導だけでなく、ワークショップやグループディスカッションを導入し、社員が発言するきっかけを作るとよいでしょう。
それぞれが持っている意見や理想を把握しやすく、知らなかった一面を知ることも可能です。
また、管理職研修・入社3年目研修・IT部門研修など、フェーズを分けて開催するのもよいでしょう。
自分と似たようなポジションにいる社員と交流することで、相談相手を見つけやすくなります。
コミュニケーション研修に関してはこちらの記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
社内サークル・部活
社内サークルや部活を設け、業務外のコミュニケーションをするのもよいでしょう。
共通する趣味があれば、普段関わるのことが少ない社員とも親睦を深められます。
経営層が好むサークルだけにならないよう、運動系・音楽系・アウトドア系・インドア系など、複数のジャンルでサークルを設けるのが理想です。
ときには、大会のようなイベントを実施するのもおすすめです。
ひとつの目標に向かって全員で努力することができれば、業務につながるチームビルディング手法が見つかるかもしれません。
フリーアドレス制度
フリーアドレス制度とは、自席を固定せず、その日によって仕事をする席を変える方法です。
席を固定することで、自分と関連性の高い社員とコミュニケーションが取りやすくなるメリットが得られる一方、特定の人としか会話しなくなるというデメリットが生じます。
ランダムで席を指定するような制度を導入すれば、このデメリットも解消されるでしょう。
部署の壁を取り払ってコミュニケーションしたい企業には、特におすすめです。
福利厚生の充実
社員であれば誰でも使える食堂・飲料自販機のサブスクリプション・就業後に使える会社近くのフィットネスジムなど、福利厚生を充実させることも効果的です。
その場でコミュニケーションが生まれることはもちろん、社員同士誘いあって福利厚生を利用するようなシーンも生まれるでしょう。
複数人で社員証をかざすと、ドリンクが受け取れる自販機なども生まれています。
ひとりひとりに得があるような福利厚生が選べれば、より高い効果が期待できそうですね。
社内コミュニケーションツールの導入
チャット・オンラインミーティング・グループウェアなど、社内コミュニケーションツールを導入する方法もあります。
ノウハウやナレッジを共有して社内情報格差の是正に取り組んだり、働く地域や場所に縛られずコミュニケーションを取ったりすることが可能です。
議論も活性化しやすく、パフォーマンス向上戦略としても有効でしょう。
引継ぎの手間やミスコミュニケーションをなくすという意味でも、一定の効果がありそうです。
社内コミュニケーション活性化の事例5選
次に、社内コミュニケーション活性化に成功した事例を紹介します。
手法ごとにどんな効果があるかを探りながら、さまざまな取り組みを参考にしてみましょう。
KIRIN|ランチ&飲み会補助の福利厚生により活性化
KIRINでは、ランチおよび飲み会費用の補助制度を導入しています。
食事にかける金銭感覚は人それぞれであり、頻度の高いランチ会や飲み会に負担を感じ、面倒に感じてしまう人も多いでしょう。
しかし、費用面での補助が手厚ければ、参加のハードルを大きく下げられます。
部署の垣根を超えて参加メンバーを募ったり、年度末やプロジェクト終了のタイミングで労いの会を開いたりしやすく、コミュニケーションの頻度も上がります。
栄養バランスのいいランチ・店舗と提携すれば、社員の健康管理を図れることもメリットです。
参考記事:https://k-naturals.jp/column/17
GMO NIKKO|全社員参加型社内報により活性化
GMO NIKKO株式会社では、全社員型の社内報になるようシステムを一新し、オンライン上で誰もがコメント・リアクションできる施策を実行しています。
社内コミュニケーションが活性化される社内報に関してはこちらの記事で紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
Yahoo!|1on1ミーティングの実施でタテの繋がり活性化
Yahoo!では、週に1回30分間の1on1ミーティングを実施しています。
ただ部下からの不満や愚痴を聞く場にするのではなく、本人に適している仕事内容やキャリアへの考え方を共有するための場として活用したことで、タテの繋がりが活性化されました。
また、経営層にもコミットしてもらったり、外部の専門家を入れて1on1ミーティングのやり方をブラッシュアップしたり、Yahoo!ならではの取り組みもしています。
徐々に社内文化として浸透し、組織マネジメントにも役立てられるようになっています。
参考記事:https://about.yahoo.co.jp/info/blog/20181011/1on1.html
SmartHR|部活動の発足と自発的なコミュニケーション
SmartHRでは、釣り・キャンプ・日本酒・ダーツ・辛い食べ物・バドミントンなど、特定のジャンルな好きな人が集まる部活動を発足しています。
役員が起案者になりやすく、お酒が苦手な人にとってはハードルが高い飲み会と異なり、自分の「好き」に合わせて参加を選択できる場として、注目されています。
活動1回あたり1,500円を会社から支給していることもあり、参加者は徐々に増えてきました。
分野ごとに、コミュニケーションリーダーが多数生まれているということも、メリットのひとつだと言えるでしょう。
参考記事:https://shanaiho.smarthr.co.jp/n/nf37d30478426
日本航空(JAL)|フリーアドレス制導入により生産性向上
JALでは、「人・モノを滞留させない」という方針に基づき、オフィスレイアウトの見直しをおこなっています。
管理部門から企画部門まで、12を超える部門でフリーアドレス制が導入されており、社内コミュニケーションを活性化させました。
集中用のソロデスクや小会議に使える4人用デスクなども設置し、シーンごとに使い分けられるような工夫もしています。
結果として生産性が向上し、導入部署では残業時間を月5時間程度まで減らすことに成功しました。
社員のワークライフバランスも向上し、残業代も減るなど、メリットの多い施策であったことが分かります。
関連記事:【コロナ禍でも使える60選】インナーコミュニケーション活性化のためのユニークな取り組み
コミュニケーション活性化の第一歩 ourly profile
ourly profile(アワリープロフィール)は、個人のプロフィール機能や組織図機能などにより、組織のサイロ化を解消する社内コラボレーション創出ツールです。
3つの大きな特徴により、リモートワーク下でも部署を超えた相互理解や社内のコミュニケーション活性化を実現します。
- 人となりが一目でわかる自己紹介画面
- 独自の探索機能により、思いがけない出会いを創出
- 組織図により、チーム・部署を超えて組織を理解できる
顔写真や部署、役職などの基本的な項目以外に、強みや趣味、スキルなどが一目でわかりコミュニケーションのきっかけが生まれます。
また、全メンバーに共通のQ&Aを設定することができるので、部署・拠点・役職を超えたメンバー同士の相互理解促進にも役立ちます。
料金については、従業員規模に応じて幅広くご用意しております。詳しくはサービスページをご覧ください。
社内コミュニケーション活性化には「社内報」がおすすめ
社内コミュニケーションを活性化させる施策は複数あり、目的や社風に合わせて選択していくのがよいでしょう。
社内報であれば、経営層からのトップダウン型の情報共有も、全社員参加型のフラットなコミュニケーションも可能です
また、中・長期的な施策として着手しやすく、ランニングさせやすいことも魅力だと言えるでしょう。
まずは自社がコミュニケーション上で抱えている問題点を洗い出し、複数の手段を比較・検討してみることをおすすめします。