ナレッジワーカーとは?代表的な職種や必要なスキル、活用方法を解説
ナレッジワーカー(知識労働者)とは、ナレッジ(知識)とワーカー(労働者)を合わせた造語で、専門知識を活かして知的生産物を生み出す労働者のことを指します。肉体労働に従事する「単純労働者」の対立概念です。
ナレッジワーカー(知識労働者)の職種には、
- コンサルタント
- 金融ディーラー
- ITエンジニア
- マーケター
などがあります。
この記事では、ナレッジワーカー(知識労働者)の概要、注目される背景、職種や必要なスキルを解説します。その後、ナレッジワーカー(知識労働者)の活用方法(ナレッジマネジメント)を紹介します。
ナレッジワーカーとは
ナレッジワーカーとは、「ナレッジ(知識)」と「ワーカー(労働者)」を掛け合わせた造語です。
専門知識を活かし、知的生産物を生み出す職種に就く人を指す言葉だと言えるでしょう。
肉体労働に従事する「単純労働者」の対立概念として使用されることも多く、知識や経験が重視される仕事であることも特徴です。
ホワイトカラーとの違い
ホワイトカラーとは、オフィスで働く頭脳労働者を指す言葉です。
「白い(ホワイトな)ワイシャツを着て働く人」のイメージから根付いた言葉であり、「青い(ブルーな)作業着を着て働く人」を意味する「ブルーワーカー」の対であることが特徴です。
ナレッジワーカーもワイシャツを着てオフィスで働くことが多いため、ホワイトカラーに含まれるとする見方もあります。
一方でナレッジワーカーは成果や実績が重視される仕事であり、オフィスに限定せず私服や自宅で働く人も多いことから、ホワイトカラーとは異なるとする見方も存在します。
マニュアルカラー(マニュアルワーカー)との違い
マニュアルカラー(マニュアルワーカー)とは、その名の通り「マニュアルに沿って働く人」を指す言葉です。
工場のライン業務やスーパーのレジ業務のように、マニュアルのある流れ作業をイメージすると分かりやすいでしょう。
ナレッジワーカーのように専門知識や個人のスキルが問われる業務とは一線を画す働き方であり、対になる概念でもあると言えます。
ナレッジワーカーが注目される背景
ナレッジワーカーが注目されるようになった背景として、AIやロボットの台頭が挙げられます。近年、ルールに則った単純作業やルーティンワークは、ロボットが代行できるようになりました。
小規模店舗でも使える配膳ロボットから、大規模倉庫で使える大型のロボットまで幅広く開発され、人の手を介さずとも商品・サービスの提供ができるようになっています。オフィスにもRPAが導入されるなど、事務作業の簡略化が進みつつあるでしょう。
一方で、AIやロボットでは代行できない仕事があります。ナレッジワーカーが担当する知識労働は、緻密かつリアルタイムでのデータ分析やトレンドや消費者の心情を汲み取った柔軟な判断が求められることが多く、まだまだAIやロボットには対応できません。
マニュアル以上の対応が必要なナレッジワークには、専門知識を持つ人の存在が欠かせないのです。
ナレッジワーカーの代表的な職種
ここでは、代表的なナレッジワーカーの職種を紹介します。
どんな仕事がナレッジワークに含まれるのか知り、イメージを固めていきましょう。
コンサルタント
コンサルタントは、顧客が抱える問題・課題を広く分析し、解決策を提案していく仕事です。
ITコンサルタント・人事コンサルタント・財務コンサルタントなどエンジニアや士業が活躍するコンサルタントもいれば、経営コンサルタントのように企業の課題を総合的に分析するコンサルタントも存在します。
企業経営に関する専門知識が必要であり、ヒアリング・情報収集・データ分析などさまざまなスキルが求められることから、ナレッジワーカーの代表格であると言えるでしょう。
同業他社に勝つ斬新なアイディアが必要なシーンも多く、発想力豊かな人が多いことも特徴です。
金融ディーラー
金融ディーラーは、資産を株や債権などの金融資産にして運用し、運用益を得る仕事です。
金融工学・金融商品に関する知識はもちろん、刻一刻と変化していくマーケットの分析をする必要があり、臨機応変な対応が求められます。また、新たに生まれたニーズやトレンドを敏感に察知する必要があるため、情報収集が欠かせないことも特徴です。
証券会社・銀行・投資信託会社・保険会社などに多く在籍するほか、フリーランスでの金融ディーラーも増えています。
ITエンジニア
ITエンジニアは、プログラミング知識を活用してソフトウェアやツールを開発する仕事です。
自社の商品をより魅力的にアピールするためのアプリケーションやシステムを開発することもあれば、生産性向上・業務効率化に向けた社内用ソフトウェアを開発することもあり、多種多様なエンジニアが存在します。
場所や時間を限定せず働ける仕事として注目されることも多く、IT業界ではテレワークやフレックスを導入している企業の割合が高いことから、近年人気が高まっている職業でもあります。
マーケター
マーケターは、消費者のニーズやトレンドを分析しながら「売れる商品づくり」を手掛ける仕事です。
魅力的な商品を開発することだけでなく、販路拡大に向けた戦略やPRプランを考えることも多く、多角的な視野が求められます。
売れる仕組みを考えヒット商品を連発できるマーケターはダイレクトにヘッドハンティングされることもあり、高収入が期待できる仕事として注目が集まりました。
企業収益を裏から支える立役者であり、高い専門知識を有することからナレッジワーカーとして扱われています。
ナレッジワーカーに必要なスキル
ナレッジワーカーは、自分の仕事に応じた専門知識・スキルを習得する必要があります。
特に下記のスキルは必須であり、多くのナレッジワーカーが習得しています。
情報収集能力
業務に直接関係のある情報はもちろん、一見関係ないと思われる情報についても幅広く収集し、知見を広げています。
自社の情報はもちろん、同業他社の傾向、マーケットのトレンドや動向に目を光らせることも多いでしょう。新聞・テレビ・ネット情報・SNSはもちろん、人から聞く評判や内情にも耳を傾けます。
情報収集力が低いと判断を裏付ける根拠が見つけられず、失敗やミスも多くなるため要注意です。
思考力
より高い利益を上げるにはどうしたらいいか、どうすれば効率よく仕事を進められるかなど、さまざまなことに思考を巡らせます。
課題が発生している原因や業務の必要性など、根本的なことを見抜く必要もあるでしょう。ルール・マニュアル・過去の風習にとらわれず、常識を疑う力も必要です。
そのためナレッジワーカーにはロジカルシンキングが備わっていることが多く、論理的に根拠をもって理由を説明できる人が向いているのです。
発想力
常識に捉われない発想力や、同業他社にはない斬新なアイディアを生み出す力が求められます。
他社との差別化を図ったり、自社ブランドを確立したりするときには特に必要なスキルでしょう。既存の概念を覆す新しい取り組みができれば、市場に注目される可能性も高まります。
また、自分の発想がいかに有意義なものであるか、周りにプレゼンテーションできるスキルも欠かせません。
コミュニケーション能力
前述の通り、自分の発想やアイディアを周りに伝えるためにはコミュニケーション能力が欠かせません。
短期間かつ自然に抵抗なく組織風土に溶け込むルールを作るシーンでも役立ちます。
また、ナレッジワーカーはナレッジワーカー以外と接する機会も多く、お互いが気持ちよく仕事をするための配慮も欠かせません。専門用語をわかりやすく説明する、初心者でも扱いやすいシステムにするなど工夫すれば、より重宝されるナレッジワーカーとして成長できるでしょう。
ナレッジワーカーの活用方法(ナレッジマネジメント)
ナレッジワーカーをより効率よく活用するためには、ナレッジマネジメントが欠かせません。
ナレッジマーケティングとは、ナレッジワーカーによって生み出された知識・創造物を会社の財産としてとらえ、社内に広く周知・共有していく手法です。ナレッジワーカーでなくとも扱えるようにしておけば、ノウハウをマニュアル化して活用しやすくなるでしょう。
反対に、ナレッジワーカーに依存しきる「属人化」が進むと、ナレッジの最大化は叶いません。
ナレッジワーカーが働きやすい環境づくりをすることも大切です。例えば、モチベーションを上げる人事評価制度を確立したり、時間・場所・ルールに縛られない柔軟な働き方を推奨したりする方法が挙げられます。
優秀なナレッジワーカーをより多く獲得できるよう対策していけば、自社のパフォーマンス向上につながるのです。
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ナレッジワーカー(知識労働者)を活用しよう
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急速に変化するマーケットにも対応しやすく、自社の利益やパフォーマンスを向上するきっかけにもなります。
ナレッジワーカーによって創出されたナレッジは、社内報などのツールを導入して広く共有していきましょう。
働き方を紹介するなどモチベーションを上げる取り組みができれば、ナレッジワーカーから評価される会社になりそうです。