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リファラル採用とは?メリット・デメリット、導入事例、成功のポイント解説

2019年、LINE株式会社がリファラル採用の導入を推進していくことが明らかになりました。そのほか日本の中小企業でもリファラル採用の導入が進んでいます。

この記事では、日本でも浸透し始めたリファラル採用の仕組みや、導入方法、メリット・デメリットなどを解説していきます。

フラットな視点から紐解いていきますので、導入のご検討にお役立てください。

目次

リファラル採用とは?

リファラル採用とは、referral(紹介)が語源で、社員から自社に適任と思われる人材を、紹介・推薦してもらう採用方法です。

アメリカのIT系企業の導入から有名になった採用方法で、現在でも欧米では採用方法の1つとして広く活用されています。

会社側としては、人材のサーチコストが削減されるなどのメリットがあります。一方でリファラル採用ならではのコストがかかってしまう側面も見逃せません。詳しくは後述の「リファラル採用のメリット」「リファラル採用のデメリット」をご覧ください。

縁故採用との違い

リファラル採用に類似した採用方法として、縁故採用が挙げられます。

これら2つの採用方法に明確な違いはありません。

あえて区別するとすれば、会社が中心となって戦略的に行われるのがリファラル採用です。それに対して、紹介者が中心となって、ある程度個人的に行われるのが縁故採用だといえます。また縁故採用には、血縁関係も含まれます。

リファラル採用注目の背景 

注目の背景には、社会的な要因が2点挙げられるでしょう。リファラル採用は、以下2つの社会的背景に、有効に機能するため注目されています。どのように機能するのかについては、後述の「リファラル採用のメリット」をご覧ください。

従業員エンゲージメントへの注目の高まり

日本では、従業員のエンゲージメントに関心が高まっています

理由の1つとして、日本の従業員エンゲージメントは低いことが米国ギャラップ社の調査で明らかなったことが挙げられます。調査によると、日本の「熱意ある社員」の割合は全体の6%であり、各国平均を大きく下回っています。また、コロナウイルスの流行から、リモートワークが浸透し、今まで以上に従業員のエンゲージメントへの関心が高まっています。

(引用:ロシェル・カップ,『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』,クロスメディ ア・パブリッシング,2015 年,p.39~p.42 )

社員のエンゲージメントにについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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売り手市場による採用競争の激化

長い目で見ると日本では、採用競争が激化しています。大卒求人倍率は就職氷河期のころから回復を続けており、特に社員数1,000人以下の中小企業では、景気に連動しているものの、求人倍率は高い値を保っています

新型コロナウイルスの流行を考慮に入れても、大企業に比べれば、中小企業の倍率は高い値でしょう。リファラル採用はそんな中小企業の採用に適しているのです。

(引用:リクルートワークス研究所, 大卒求人倍率調査(2021年卒),〈https://www.works-i.com/research/works-report/item/200806_kyujin.pdf〉, 2020年9月閲覧)

リファラル採用のメリット

リファラル採用のメリットを、2点に分けて紹介します。

自社に合う人材を獲得できる 

リファラル採用には、企業側、採用される側の両側で、期待との不一致が起こりづらい特徴があります。なぜなら紹介を行う社員は、企業と紹介される人材の両側を、良く知っているからです。特に通常の採用では把握しづらい、個人の使命や性格を含めて、自社に合っている人材を紹介することができることは大きなメリットでしょう。

これにより企業側では、離職率の低減や、採用された社員の高いエンゲージメントが期待できます。

離職率については、人事マネジメントコンサルティング会社の Dr. John Sullivan & Associatesが行った調査によると、求人採用者に比べて、リファラル採用者は離職率が半分以下になっています

エンゲージメントについては、社内に知り合いがいることにより、紹介する側もされる側も、ライバル心や安心感から高いエンゲージメントが期待できます。

(引用:Dr John Sullivan, 10 Compelling Numbers That Reveal the Power of Employee Referrals, 〈https://drjohnsullivan.com/articles/10-compelling-numbers-that-reveal-the-power-of-employee-referrals/〉, 2020年10月閲覧)

採用コストが低い

リファラル採用は、通常の採用よりも良いコストパフォーマンスが期待できます。

通常の採用方法では以下のような費用がかかりますが、リファラル採用だと、かからない、もしくは抑えることができます。

  • 各種採用サービスへの求人掲載費・報酬
  • 選考・面接する担当者の人件費

これによって採用にかかる固定費を削減し、その他の施策などに投資することができるでしょう。

リファラル採用のデメリット

メリットも多い一方で、リファラル採用ならではのデメリットが3点挙げられます。

準備・浸透に時間がかかる

短期での採用が目的ならリファラル採用ではなく、通常採用の方がいいでしょう。

リファラル採用は、リクルーターへのインプットの時間と、各リクルーターの探査の時間がかかります。インプットの時間とは、どんな人材が欲しいのかを条件として挙げ、社員に的確に伝えることにかかる時間です。さらに、紹介を行うのは採用以外の業務をこなす社員であるため、実際の紹介までに時間がかかるでしょう。

インセンティブの費用がかかる 

リファラル採用では、社員に積極的な紹介・推薦を行ってもらうために報酬(インセンティブ)が与えられることが多いです。報酬金額は、MyReferが行った調査によると、1~10万円で設定している企業が多くなっています。報酬の大きい企業でも、30万円以下が一般的です。

報酬の設定の際には、違法にならないようにする注意する必要があります。詳しくは次の章で解説しています。

(引用:My Refer, リファラル採用の実施状況に関する統計レポート, 〈https://i-myrefer.jp/media/resource/resource_4/〉, 2020年10月閲覧)

人間関係への配慮が必要 

リファラル採用された場合には、知り合いが社内にいることで、紹介した社員のモチベーションは高くなることが予想されます。

しかし仮に不採用であった場合、その後の対応に気遣いが必要です。リクルーターは社員であり、紹介・推薦される人は知り合いです。最悪の場合、リクルーターと紹介された人の関係性に亀裂が入る可能性があります。紹介した社員のモチベーションも下がるかもしれません。

100%採用するわけではないことを、はっきりと社員に伝えて、公平な採用を行いましょう

リファラル採用成功のポイント

リファラル採用成功の鍵は、リクルーターである社員が握っています。社員がスムーズに行動できるように、リファラル採用導入の準備を丁寧に行いましょう。

制度設計と社内告知 

「どんな人材が欲しいのか」「報酬はどうするのか」「どうやって推薦を行うのか」を、社員が理解し、継続的に行えるように、制度として設計しましょう。特に「どんな人材が欲しいのか」を細かく言語化しましょう。採用担当の社員との認識のズレを減らすことで、素早い紹介ができ、不採用による人間関係の心配が減らせます。

制度が設計できたら、社内告知を行いましょう。具体的には社内報、社員へメールを送信したり、オフィス内へポスターを掲示するなどの方法が挙げられます。告知の際にも、できるだけ具体的な人物像を伝えることを意識しましょう。

社内報について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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報酬(インセンティブ)の設計 

具体的な設計項目の説明の前に「法律上報酬は許されるのか」について確認します。

読者の皆さんは「報酬(インセンティブ)」と聞いて、「紹介に報酬を与えることが違法ではないのか」という疑問が浮かんでいるかもしれません。法律上、紹介に対して与えられる報酬は「違法」ですが、業務の中の1要素として与えられる報酬は「合法」と判断されます。

そこで報酬については、給与明細にどのように記載するのか、注意する必要がありますね。

具体的な設計項目として、「誰に」「いつ」「どのくらい」与えるのかを決めましょう。

誰に

リクルーターのみに与えるのか、被採用者にも与えるのか、などを設定します。両者に与えれば紹介意欲だけでなく、被採用者の入社意欲が高まるため、効果的でしょう。

いつ

入社後、どのくらいの期間がたってから報酬を与えるかを設定します。事例として「入社確定時、1ヶ月後、半年」と分割して報酬を与えていくことで、離職対策になります。

どのくらい

適切な金額を設定します。1-10万円が一般的とされています。紹介される側に、「この社員は紹介の報酬を得ることが目的なのかな……?」と思われるため、高額にしすぎるとよろしくありません。

サービス紹介

ここまでリファラル採用の導入方法を解説してきましたが、実際に成果を得られるのか不安な方もいらっしゃると思います。そういった不安に応えるサービスがございます。

有名な2つのサービスと、それぞれの強みを紹介していきます。利用料など詳細な説明は、添付した各社Webサイトからご相談ください。

Refcome(リフカム)

飲食業界や人材、IT業界などさまざまな業界、850社以上の導入実績を持っています。
社員のリファラル採用への貢献データなどを分析し、経験豊富なアドバイザーが成果に導いてくれます。強みとしては、上記のアドバイザー制度社員のエンゲージメント測定機能でしょう。導入社数でも、他社のサービスを上回っています。

(引用:Refcome, <https://jp.refcome.com/>, 2020年10月閲覧)

GLOVER Refer(グラバーリファー)

リクルートが運営するサービスで、150社以上に導入されています。提供している企業が大企業であり、安心感が高いとの声が見られます。
強みとしては、”リファラル採用のプロセス設計から実施、継続までのトータルサポート”が挙げられます。

(引用:GLOVER Refer, <https://gloverhr.com/>,2020年10月閲覧)

リファラル採用の他には?新しい採用方法3選

採用の見直しに悩んでいらっしゃる方に、今後広く活用されるかもしれない採用方法や、珍しい採用方法を3つ紹介します。

HR tech

HR techとは、Human Resources(人事)と、Technology(テクノロジー)の組み合わせを意味します。

採用領域におけるHR Techといえば、「AI」を用いた採用方法です。例えば、AIに会社の求める人材像を入力し、自動で適性を判定させたり、面接を行わせたりすることができます。
AIによる自動化で、採用コストの低下が期待できるでしょう。

SHaiNというサービスが有名で、株式会社吉野家など有名な企業にも導入されています。

(引用:SHain, <https://shain-ai.jp/>, 2020年10月閲覧)

コンビ採用

コンビ採用とはその名の通り、2名1組の就活生を対象に採用を行う方法です。2017年にアソブロック株式会社が、新卒採用にてこの採用方法を行いました。

メリットとして、入社後の高いエンゲージメントが期待できます。なぜなら、知り合いが社内にいることで、ライバル心が芽生る、人間関係の面で安心感が得られるなどの効果が期待できるからです。

相棒採用

コンビ採用に似た名前となっていますが、内容は異なります。

採用手順を解説いたします。まず就活生は、相棒候補となる社員の開設しているSNSをのぞきます。そこで「ともに働きたい!」と思える社員を指名し、その人と一次面接を行う、という採用方法です。

この採用方法の会社側のメリットは、早期離職の防止です。若手社員の離職の原因の1つとして、人間関係の不安が挙げられます。就活生としては、入社前からどんな上司がいるのかを想像できることは、人間関係の側面から安心感に繋がり、早期離職の減少を期待できるでしょう。

離職率について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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リファラル採用には社員のエンゲージが必須 ourly

ourlyは、組織改善に特化した全く新しいweb社内報サービスです。

web知識が一切不要で、誰でも簡単に投稿できるだけでなく、閲覧率や読了率(記事がどこまで読まれているか)などの豊富な分析機能が特徴的です。

またourlyは、社内報運用を成功に導くための豊富な伴走支援体制に強みがあり、web社内報としてだけでなく組織課題を可視化するツールとして活用できることが魅力的なツールとなっています。

ourlyの特徴

  • SNSのように気軽にコメントできる仕様で、社内のコミュニケーション活性化を実現
  • web知識が一切不要で簡単に投稿できる
  • 豊富な支援体制で社内報の運用工数を削減できる
  • 分析機能に特化しており、属性・グループごとにメッセージの浸透度がわかる
  • 組織課題や情報発信後の改善度合いを可視化することができる

エンゲージメントスコアが低い」「離職率が高い」「従業員にメッセージが伝わっているかわからない」といった悩みを抱える方におすすめのweb社内報ツールです。

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柔軟な採用戦略を

この記事で解説した、リファラル採用の特徴は以下の3点にまとめられます。

  • リファラル採用とは、社員の紹介・推薦から採用する方法
  • 低い採用コストと、社員の高いエンゲージメントが期待できる
  • 準備・浸透の時間や、インセンティブの費用社員の人間関係に注意が必要

最後に社会的な背景として、ここ数年で人材の流動化が進行しており、社員のエンゲージメントへの関心は高まっています。そこで、どんな人に働いてもらうかを決定する「採用」への責任感は大きなものになっていくでしょう。

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この記事を書いた人

ourly株式会社組織開発チーム所属。前職はourlyの親会社ビットエーでSEとしてデータエンジニアリングに従事。エンジニアチームのマネジメントや社内イベント企画運営の経験から組織開発に興味を持ちourlyへ。
副業としてコーチングやインタビューライティングを行う。
趣味はスノーボードとスキューバダイビング。

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