内定辞退を防ぐ対策11選と事例3選|内定者を不安にさせない施策とは?
現在、労働人口の減少により売り手市場が続いており、人材確保は困難を極めています。
せっかく内定通知を出しても辞退されてしまうことを防ぐためには、辞退理由を把握したうえで、内定者をフォローし入社意欲を高めていく施策を打つことが重要です。
この記事では、内定辞退を未然に防ぐための対策を新卒・中途それぞれに分けて紹介し、共通する対策や事例も取り上げていきます。
内定辞退の現状と傾向
22・23年度新卒の採用活動においてはコロナ禍の影響が色濃く残り、内定出しまで全てオンラインで選考が進んだことで、学生が会社の雰囲気をよく知ることができず内定辞退や内々定承諾保留に繋がるケースが急増しました。
また、中途採用においてもコロナ禍を経て働く価値観や働き方などが多様化したことで、内定辞退の理由は多様化しています。
人材大手のマイナビが行った調査(2023年卒企業新卒内定状況調査・中途採用状況調査2022年版)によると、新卒の内定辞退率が3割以上であると回答した企業は全業界で増加傾向にあります。中途採用においても、面接後の内定辞退率は業種全体で11.0%と、一定数の内定辞退が発生していることがわかります。
内定辞退の原因とは
ここでは、応募者が内定を辞退する理由をまとめていきます。
希望条件を満たしていない
給与や福利厚生などの条件を満たしていないことが選考の過程で判明したことが主な原因です。
条件のミスマッチを防ぐためには、選考過程で応募者の正確な希望条件を把握し、すり合わせを行なっていくことが重要です。
企業のイメージやカルチャーが合わない
最近では企業のカルチャーを重視する人も増えています。自身にとって働きやすさとやりがいを感じられるかどうかの判断材料になるからです。
面接の段階で企業のカルチャーや雰囲気を応募者に伝えた上で、価値観やキャリア目標のすり合わせをするなど適合性を明確にできる面接設計を行いましょう。
志望度の高い企業から内定をもらった
応募時や選考過程で企業に優先度をつけて就職・転職活動をする人が大半です。仮に内定を持っていたとしても、志望度が高い企業から内定がもらえるまで活動することはしばしばあります。
内定辞退の連絡を受けた際、理由がこうした類のものだと聞けた場合はぜひ入社先の企業名や決め手を聞き、今後の採用活動の参考にしてみましょう。
漠然とした不安
新卒内定者にありがちなのが、「本当にこの会社でいいのか」「自分はうまくやっていけるだろうか」といった内定先の情報不足からくる不安です。内定ブルーとも呼ばれます。
内定から入社まで1年前後空くことも多くなった昨今、こうした不安を解消するためには、定期的に内定者とコミュニケーションを取って関係性を構築したり、内定者イベントや情報公開をおこなうことが不可欠です。
採用担当者の対応が悪い
応募者にとっては、面接時に会う採用担当者が応募先企業で唯一知る相手になります。採用担当者の印象を就職先選びの基準にする人もいます。
会社の顔として抑圧的な対応をしないことはもちろん、面接時から関係性を作ることを目指して面接を設計することが重要です。
内定辞退を防止するための対策5選
ここでは、新卒にも中途にも共通する内定辞退防止策をご紹介します。どの施策にも共通して大切なことは、内定者心理を把握した上で選考段階から徐々に惹きつけていくことです。
入社への不安を軽減するためには、説明会やカジュアル面談の段階から社内の雰囲気をいかに伝えていくかも重視していきましょう。
選考過程から社員と交流の場を設ける
Zoom説明会で社員同士がチャットでコメントしあう、メンターをつける、社内報を内定時から見てもらう、といった方法があります。また、採用担当者として応募者との一定の関係性を作っておけば、その企業の特別感を感じてもらえる可能性も高まります。
内定後に実際に一緒に働く社員や上層部と顔を合わせておくことは、働くイメージが具体化されるだけでなく、特別感にもつながります。
何気なくランチに誘ってみたり、説明会では配布しなかったパンフレットやノベルティがあればそれを渡したりなど、最終選考が近づくにつれて、徐々に求職者の気持ちが盛り上がるような特別感を演出できるとよいでしょう。
採用した理由を伝える
内定者が入社への不安を抱くとき、「自分の何が評価されたのだろう」と感じることで不安が増幅されることがあります。会社に自分が必要とされていると感じられないからです。
その不安を払拭するために、面接の最後にフィードバックをしたり、内定連絡時に評価したポイントをしっかりと伝えていくことが重要です。
社内報で内定者に会社を知ってもらう
内定を出してから入社するまでの期間で会社に対する興味関心を高めることができれば、内定者はその企業で働く自分をイメージしやすくなり、内定辞退の防止にもつながります。
社内報は会社の情報を社員に伝えるツールなので、内定者に社内報を読んでもらうことも効果的な対策の一つです。
また、社内報で内定者に自己紹介をしてもらうことで「自分は会社の一員である」という意識付けにもつながりますし、web社内報であれば既存社員からのコメントで交流することもできるので、内定辞退の防止にも大きな効果があります。
Web社内報やnoteなどの記事作成に力を入れている企業は、すぐにでも取り入れることができるでしょう。そうでない企業でも、これを機に社内報を刷新してみてはどうでしょうか。
内定者フォローツールを活用する
情報発信機能やコミュニケーション機能、Eラーニング機能などを搭載したフォローツールを導入している企業もあります。
内定者フォローツールを活用することで、内定者同士や会社との定期的なコミュニケーションの機会を確保できるので、内定辞退の防止に役立ちます。
クチコミサイトを確認しておく
企業の待遇や雰囲気などに関して口コミサイトでマイナスな書き込みがされていると採用活動が不利に働くことがあります。
どのような書き込みがされているかを把握した上で一歩踏み込んだ説明をおこなったり、応募者からの質問に備えておくことで、口コミに引っ張られることなく入社を決めてもらえるでしょう。
新卒内定辞退を防止するための+α対策4選
新卒内定者向けに有効な施策は、内定式だけではありません。辞退防止には定期的に接点を作り、入社後の将来像や特別感を演出することが大切です。
定期的なコミュニケーションで不安を軽減する
新卒採用では内定出しから入社まで半年〜1年程度空く場合も多く、周りに影響され心境の変化が起こる可能性があります。
それを防ぐには、定期的に双方向のコミュニケーションを取るなどして接点を作ることで、会社から必要とされている意識を与えることが有効です。
週1回〜月1回程度、Web社内報を配信したりメールなどで会社の近況を送ることで、会社への帰属意識を徐々に高めることができます。会社からのリリースだけではなく内定者に自己紹介記事を書いてもらえば、縦のみならず横のつながりを作ることができます。
後述するイベントなどと併用することがおすすめです。
内定者イベントで縦横のつながりを作る
通常、入社の半年ほど前に行われる内定式だけでは、入社意欲を維持することは難しいでしょう。カジュアルな懇親会の開催や、研修・課題などを定期的に実施することが有効です。
内定者同士の交流を深めることで同期間の繋がりが生まれることはもちろん、社員や上層部とも積極的に交流できる機会を作ることで入社後に頼れる相手ができ、入社への不安に対する心理的ハードルを下げることができます。
長期インターン採用でミスマッチを減らす
入社前提の長期インターン採用をおこなうことで、企業と応募者双方の働き方や特性を理解した上で入社を決めることができます。
入社後の研修を短期間で終えることができるため、即戦力になるでしょう。
内定者研修でモチベーションを維持させる
内定者研修をおこなう企業は現在も数多くありますが、内定者研修で通常は入社後研修で取り扱う内容のごく一部や業務に必要な資格・スキルの講座を実施する企業もあります。
ただ内定者研修を実施するだけで満足せず、入社後の将来像が見えるような研修内容を設定しましょう。
中途内定辞退を防止するための+α対策2選
中途採用は新卒採用に比べ、より双方のマッチングが重要となってきます。面接段階からマッチングを重視した施策をおこなうことで内定辞退を防ぎましょう。
リファラル採用でマッチングさせる
近年、ベンチャー企業を中心に人気が高まっているのがリファラル採用です。
社員が知人に自社を紹介するもので、元々知っている間柄だからこそ分かる適正やスキル、性格などを把握した上で選考を進めることができます。
希望条件・待遇を把握しておく
面接やスカウト送信の段階で希望条件を聞き出すなどしておきましょう。将来像や目標などの質問からさらに一歩踏み込んでみることも有効です。
内定辞退を防止できた事例3選
ここでは、ourly Mag.でインタビューを行なった3社の事例をご紹介します。
選考フローに体験入社を入れたHeaR
採用コンサルティング事業をおこなうHeaRでは、自社の選考フローに1日かけて実施する体験入社を入れています。
普段の業務を実際に体験してもらうほか、カルチャーも体感してもらえるように社内カルチャー施策を実施する曜日に体験を行なってもらうことで採用後のミスマッチを防いでいます。
詳しいインタビュー記事はこちら
6割がリファラル採用のSUPER STUDIO
SUPER STUDIOでは社員の6割がリファラル採用で入社しています。リファラル採用の最大のメリットであるカルチャーに合う人材の確保に成功した秘訣は、採用インセンティブを設けていないことです。
社内のSlackで『採用依頼』というチャンネルに全員が参加し、社員が誰かを紹介するとBotから通知が届く仕組みになっています。通知へのリアクションで社員同士が褒め合うことで、カルチャーマッチしそうな知人を紹介してみようという風土が生まれます。
詳しいインタビュー記事はこちら
内定者にカルチャー浸透施策をおこなうChatwork
Chatworkでは、サプライズボックスという内定者へのカルチャー浸透施策で内定者とのコミュニケーションを取っています。
内定者に入社前からカルチャーを感じてもらうために、カルチャーブックや代表からのメッセージカード、オリジナルパーカー・ステッカーといったグッズを専用のプレゼントボックスに入れて送付します。
カルチャーを体感してもらえるだけでなく、「会社はあなたを歓迎しているよ」というメッセージを伝えることもできる施策です。
詳しいインタビュー記事はこちら
コミュニケーションで内定辞退を防ぐならourly
内定ブルーを防ぐだけでなく、内定者のエンゲージメントが高まった状態で入社してもらうためには、内定者に社内報を見せて社内の雰囲気を知ってもらい入社への不安を取り除くことが重要です。
ourlyの社内報では、内定者にアカウントを発行するだけで、自己紹介記事を書いてもらいつつ他の記事も読んでもらったり、ourlyプロフィール機能でどんな社員がいるのか知ってもらうことができます。
ourlyの特徴
- SNSのように気軽にコメントできる仕様で、縦横のコミュニケーション活性化を実現
- アカウントを発行しておくだけで内定者や社員がいつでも記事を読める
- web知識が一切不要で簡単に投稿できる
- ourlyプロフィール機能で、顔を合わせる機会が少ない相手ともコミュニケーションのきっかけができる
「内定辞退を防止する方法がわからない」や「web社内報で内定者に会社への理解を深めてほしい」という方におすすめのweb社内報ツールです。
効果的な内定辞退対策をしよう
この記事では、内定辞退の防止策をおこなうメリットや事例、おすすめの施策・サービスについて紹介しました。
内定辞退の対策を検討されている方は、自社の環境や規模・目的に適した施策を選びましょう。
この記事が、御社の内定辞退率低下のお役に立てれば幸いです。