MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは?【わかりやすく】企業例や策定方法などを解説

MVVは、ミッション、ビジョン、バリュー(Mission, Vision, Value)の略語です。使命、理念、行動指針と日本語訳されます。
これら3つは、なんのために存在しているのでしょうか?
この記事では、それぞれの定義の詳細な説明から、そのメリット、作成方法、他社事例など、ミッション・ビジョン・バリューについて網羅的に解説します。
また、新たにミッション・ビジョン・バリューを設計するための作成シートや、上場企業のミッション・ビジョン・バリューをまとめた資料をご用意しています。
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは?
ミッション(Mission)・ビジョン(Vision)・バリュー(Value)をまとめて、MVVと呼ばれます。
ミッション・ビジョン・バリューはそれぞれ意味が異なりますが、互いに関係を持って構築されています。
それぞれの関係性を三井物産のMVVを例に図示してみました。上図のように、バリューはビジョンの土台となり、またビジョンはミッションの土台となる関係性を持ちます。
つまり組織は、独自の「ミッション」の達成のために、「ビジョン」を実現する必要性があります。そして、ビジョン実現のためのより具体的な価値基準として「バリュー」が定められているということです。
では、MVVそれぞれの意味を、詳しく解説します。
M(ミッション):組織・会社の使命
ミッションとは、日本語訳の通り「使命」です。
なぜその組織が存在するのか。その組織が実現を目指す目標を意味します。
分かりやすくイメージするために、総合商社である三井物産を例にとって紹介します。
2020年5月1日に改定された三井物産のミッションは、
世界中の未来をつくる
(引用:三井物産, 経営理念, <https://www.mitsui.com/jp/ja/company/outline/idea/index.html>, 2020年9月閲覧)
大切な地球と人々の、豊かで夢あふれる明日を実現します。
となっています。
世界を相手にする商社としての覚悟や使命が感じられますね。
V(ビジョン):理想の組織像・会社像
ビジョンとは、「理想」の組織像・会社像です。
「使命を達成できる組織の状態」もしくは「達成した組織の状態」が表現されています。
三井物産のビジョンは、
360° business innovators
(引用:三井物産, 経営理念, <https://www.mitsui.com/jp/ja/company/outline/idea/index.html>, 2020年9月閲覧)
一人ひとりの「挑戦と創造」で事業を生み育て、社会課題を解決し、成長を続ける企業グループ
となっています。
これが三井物産の理想の組織状態であるとわかります。

V(バリュー):組織の価値観・価値基準
バリューとは、組織の価値観・価値基準を表します。
「ビジョンの実現のために社員はこのように行動すべきだ」というような価値基準が定められています。
三井物産のバリューは、
「変革を行動で」「多様性を力に」「個から成長を」「真摯に誠実に」
(引用:三井物産, 経営理念, <https://www.mitsui.com/jp/ja/company/outline/idea/index.html>, 2020年9月閲覧)
となっています。
ここでもう一度、三井物産のミッション・ビジョンを見返してみてください。4つのバリューが、ミッション・ビジョンの達成に繋がるように、一貫性をもって設計されていることがご理解いただけると思います。
このように、ミッション・ビジョン・バリューは関係性を持って構築されています。
MVVと企業理念・経営理念・行動指針との違い
ミッション・ビジョン・バリューと近い言葉として、経営理念や企業理念・行動指針などが挙げられます。これらの言葉に正解としての決まった意味はなく、その企業によって呼び方が異なるという場合があります。
そのため、ここではあくまでひとつの基準としてこれらの違いを紹介することとします。
企業理念とは
企業理念とは、その会社の存在意義を言葉にしたものです。その企業が社会に対してどういう価値を提供するのかを、創業者が定めたものであり、変更されることは滅多にありません。

経営理念とは
経営理念とは、経営上の方針や手段を言葉にしたものです。
会社として経営を存続させるにあたり、どういった方針で、また手段を取るのか、それを明文化します。そのため、経営理念は、時代背景の変化や経営者の交代などにより変更されることがあります。

行動指針とは
行動指針とは、企業理念・経営理念を達成するための行動原則を言葉にしたものです。企業理念や経営理念を定めた後に、具体的に「社員はどのように行動をするべきなのか」を示します。
これら企業理念、経営理念、行動指針とミッション・ビジョン・バリューとの関係性ですが、企業理念とミッション、行動指針とバリューなど、同じような意味で扱われていることも多いため、一概に定義を言い表すことは難しいとされています。
それぞれの意味を押さえつつ、自社に合う言葉を用いてこれらを策定しましょう。

MVVの重要性

ミッション・ビジョン・バリューはなぜ重要なのでしょうか。
ずばりそれは、ミッション・ビジョン・バリューが、全従業員に対して会社のいく先を示す羅針盤のような役割を担うからです。
ミッション・ビジョン・バリューという概念を生み出したのが、「マネジメントの父」「現代経営学の父」と称される、ピーター・ドラッカー氏です。彼の著書『Managing in the Next Society』では以下のように述べられています。
これからの企業は、ミッション、ビジョン、バリューを定め、組織全体で明確な存在意義や価値観を共有できている状態が望ましい
(著:Peter F. Drucker 訳:上田 惇生 ,『ネクスト・ソサエティ』,ダイヤモンド社, 2002年)
彼は著書の中で、ミッションの重要性を強調しています。企業の長期活動に必要となる「一貫した判断軸」として、ミッションが機能するからです。
例えば、社会には倒産してしまう企業も存在します。その原因の1つには、企業を取り巻く社会・市場の変化が挙げられるでしょう。そこで企業には、使命や理想を見失わず、柔軟に適合していく力が求められます。そういった変化する社会の中で機能するのが、自社の存在意義を表すMVVであり、MVVを明文化し社会に適合し続けてこそ、長期的な企業活動が実現するのです。
またMVVは、企業の社会的責任(CSR活動)や採用、従業員エンゲージメントに好影響を与えます。このように社内・外の両面に対して効果を発揮するからこそ、重要であると言われるのです。
MVV策定のタイミング
それでは、ミッション・ビジョン・バリューはいつ作成すれば良いのでしょうか?
結論、いつでも問題ありません。しかし、組織規模が大きくなる前に策定しておいた方が良いでしょう。ベストなタイミングで言えば、起業時といえます。事業の向かう方向性を明確に言葉で示し、それを従業員で認識することができます。
前述の通り、ミッション・ビジョン・バリューは会社の向かう先を示す羅針盤のような意味合いを持ちます。事業を進める上で、これらを従業員同士で明確に共有することは大切です。
もちろん途中でMVVを修正することも可能で、実際に再策定した大企業も見受けられます。
MVVの策定手順
これから社員を増やし、会社を大きくしていくにあたって、ビジョン・ミッション・バリューを策定される方に、具体的なつくり方を紹介します。
策定のためのワークシートも作成しましたので、ご活用ください。
MVV策定のためのワークシート
この章で解説するMVV策定の流れをワークシートに起こしました。数人で一緒に策定する際や、1人で考える際にお役立てください。
PEST分析とは、政治(Polotics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の4つの観点から、社会環境を分析するためのフレームワークです。顧客を取り巻く環境や、世の中の変化を捉えることができます。
ここでの目的は「自社は社会に対して、どのような使命を負おうとしているのか」「どのような課題を解決したいのか」を明確化することです。
社会環境の分析から始めることで、より腹落ちしたミッションの策定ができます。また、社員には共感してもらいやすくなるでしょう。
3C分析とは、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)、3つの特徴から自社の戦略を設計するためのフレームワークです。顧客のニーズだけなく、競合の動きも分析することで、自社としては社会にどのような影響を及ぼしたいのかを、明確化することができます。
経営理念の作成においては、以下の視点を参考にし、分析を行いましょう。
- そもそも顧客にはどのようなニーズがあるのか。
- 競合はどのようなミッションを掲げているのか。
- 競合はどうやってニーズを満たそうとしているのか。
分析を基に、自社が社会に対してどのような使命を背負うのかを、言語化しましょう。
ミッションは経営理念の中で、最も重要な概念であると言われています。同業他社のミッションも参考にして、経営者が心から納得のいくものを作成してみましょう。
ミッションを明確化したら、ビジョンを策定します。ビジョンとは、ミッションの達成で実現する、理想の社会・組織の状態です。
ビジョンは以下の2つの要素を組み合わせることで言語化しやすくなります。
- 事業に対する創業者の想い
- ミッションを基に、実現したい未来の社会・組織
押さえたいポイントとしては、ミッションと関連のあるビジョンにすることです。
例えば、スーパーマーケットを経営する企業のビジョンが『360° business innovators』(三井物産のビジョン)だったら違和感がありますよね。
自社の分野で実現したい社会・組織を言語化しましょう。わかりやすく、印象の良い文言であることも大切です。
最後にバリューを策定します。
バリューは企業の価値基準であり、社員の価値基準でもあります。言い換えると行動指針です。
バリューには「ミッション・ビジョンの実現のために社員はどのような行動をとるべきか」を、わかりやすく言語化しましょう。
その例として、スターバックスのミッションとバリューの一部を見てみましょう。
ミッションは「人々の心を豊かで活力あるものにするために-」から始まります。そしてバリューは、「私たちは、Valuesを日々体現します」「お互いに心から認め合い、誰もが自分の居場所と感じられるような文化を作ります」など、より具体的な行動指標が制定されています。
以上5つステップにより自社に沿ったMVV策定の理解度はあがることと思いますが、自社の課題を自社だけで理解した上でMVVまで落とし込むのは非常に困難な作業になります。
MVV策定の注意点

ミッション・ビジョン・バリューを定めるにあたって、押さえたいポイントがあります。浸透しやすいミッションを策定するために参考ください。
共感しやすく、頭に残りやすい言葉で表す
社員・社会が解釈しやすいように端的な言葉で表しましょう。下記の具体例や、有名企業のミッションを見ても、短くわかりやすく策定されています。
必要がないと判断する場合は、MVV全てを設定する必要はありません。特にスタートアップの企業では、ミッションのみであったり、ビジョンのみを掲げている企業は少なくありません。
大切なポイントは、経営者自身だけなく、社員や社会が、簡単に自分自身の価値観と照らし合わせて考えられるミッションであるかどうかです。
時代や社会性を考慮する
MVVは社外への影響力もあるため、「第三者が見たときにどう思うか」を考えることが必要です。
特に昨今はSNSなどですぐに情報が広まる時代なので、その点意識しましょう。
採用への好影響を期待するのであれば、新入社員の視点や言葉選びを取り入れてみると良いでしょう。求職者が共感しやすい言葉がすっと出てくるかもしれません。
策定しただけでなく、浸透施策も同時に検討する
皆さんもご理解の通り、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)は策定したからといってそれが従業員に浸透するとは限りません。
むしろMVVを策定して終わりにしてしまっては、企業側が一方的に従業員に押し付ける形になってしまい、企業への不信感が募ってしまう結果になりかねません。
そうならないためにも、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)は策定とともにどうやって浸透させるかを一緒に検討させることを意識しましょう。
MVVを浸透させるポイント

上述した方法などを使ってミッション・ビジョン・バリューを社内に浸透させる際に、押さえるポイントを紹介します。
中長期目線で行うこと
浸透が目に見える成果として現れるまでには、時間がかかります。徐々に社員の意識や行動が変わりはじめ、自社の商品が売れ、ミッションやビジョンに示した社会が作られていく。
ミッション・ビジョンの達成が目的であることを意識して、施策の実施を継続しましょう。
ミッションの意味・意図を経営者から伝えること
ミッションやビジョンの浸透には、「知っている」だけではなく、社員が「理解している」ことが大切です。
同じ言葉でも、人によって解釈や定義は異なる場合があります。
共通認識をとるためにも、経営者がミッションに関するコラムをかいたり、説明する機会を設けましょう。
経営者やリーダーが動くことの重要性は、弊社で行っているインビューの中でも明らかになっています。詳しくはこちらからご覧ください。
従業員自身でも同様に解釈させること
従業員にミッション・ビジョンの解釈をアウトプットする機会を与えてみましょう。従業員によって少しずつ異なる解釈を共有することで、ミッション・ビジョンを自分ごと化して再解釈することができます。
こうした取り組みは、企業のミッションと従業員の価値観を結びつけるため、エンゲージメントに良い影響を及ぼします。
浸透度合いを数字で測定する
MVVは自然に浸透するものではないため、浸透を図る施策を講じる必要があります。MVVが浸透しているかどうかは当然目で見ることはできません。そのため、数字を用いた方法で視覚化することにより、その浸透度を測定することができます。
認知度・理解度についてアンケートをとる・MVVに触れているかがわかるツールを利用する
などの方法で数値化を図り、浸透度を可視化することで現状の把握と施策の達成度が明らかになるため、より徹底したMVV施策をおこなうことが可能になります。
MVVの浸透施策
ここまでミッション・ビジョン・バリュー(MVV)が存在するメリットや策定方法を、紹介しました。しかし実際には「MVVはあるけどなかなか浸透しない」という会社も多いのではないでしょうか。
下記図のように、MVV浸透のための施策は会社によってことなりますが、ミッション・ビジョン・バリューといった理念戦略や組織風土などの形成には、社内報などの情報共有ツールが効果的です。
ここからは、企業内にミッション・ビジョン・バリューを浸透させる具体的な方法やツールを解説していきます。


社内報|継続的に情報発信する
社内報は、企業の情報共有や社員間コミュニケーションの促進などに効果的な手法です。Web・冊子の両方で扱われるため、リモートワークを導入している企業でも活用できます。
社内報の制作・運用方法はこちらにまとめてありますので、担当者の方はぜひご覧ください。
MVVの浸透・共感なら「ourly」がおすすめ
ourlyは、組織改善に特化した全く新しいweb社内報サービスです。
web知識が一切不要で、誰でも簡単に投稿できるだけでなく、他のweb社内報よりも豊富な分析機能が特徴的です。またourlyは、新たな社内コミュニケーションを創出するツールとして活用できるサービスとなっています。
読了率等の詳細な分析と、洗練されたコンテンツ配信から、効率的な理念浸透や文化醸成を実現します。
ourlyの特徴
- SNSのように気軽にコメントできる仕様で、社内のコミュニケーション活性化を実現
- web知識が一切不要で簡単に投稿できる
- 豊富な支援体制で社内報の運用工数を削減できる
- 分析機能に特化しており、属性・グループごとにメッセージの浸透度がわかる
- 組織課題や情報発信後の改善度合いを可視化することができる
「従業員にメッセージが伝わっているかわからない」「理念浸透・文化醸成を通して組織改善したい」といった悩みを抱える方におすすめのweb社内報ツールです。
クレドカード|目に付く場所に掲載する
クレドカードとは、従業員第一主義で有名なリッツ・カールトンが行っていたことで有名な施策です。クレドとは、企業の行動指針を表したもので、企業によってはバリューで表していたりとさまざまです。
クレドをカードに印刷して発行し、従業員に浸透させました。従業員はそのカードを携帯することで、日々確認することができ、クレド・バリューだけでなく、ミッションまで意識した意思決定と行動を取れるようになります。
クレドについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

1on1|上司が体現し、個別で確実に伝える
1on1とは、上司と部下で行われる、1対1の面談です。
ヤフーにて2012年から、社員6,000人を巻き込んで実施されていることで有名になりました。1on1では、会社のミッションを上司から部下へ、直接の会話を通して浸透させることが狙いです。時間的なコストはかかりますが、社員全体に徹底的に行える、堅実な方法だと言えるでしょう。

表彰・評価制度|評価に組み込む
ミッションやバリュー(行動指針)にあった行動をした社員を表彰・評価する制度です。四半期に1度表彰式を行ったり、日常的に評価し合う仕組みを導入してみましょう。
表彰や評価の際に押さえるポイントは、表彰・評価の基準を明確にして公表することです。「どんな活躍をしたら表彰されるのか」「どんな行動が評価されるのか」など、ミッションを意識した基準を設定しましょう。明確な基準があると社員は、目標設定をしやすくなります
表彰・評価の制度としては、ピアボーナス®️が有名です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
「ピアボーナス®️」はUnipos株式会社の商標または登録商標です。
「ourly Magazine.」では商標権者Unipos株式会社から使用許諾を得た上で記事にしています。


有名企業のMVV事例 7選
有名企業7社のMVVを紹介します。自社のミッション策定の参考にしてみてください。
各社、それぞれの社会に対する熱い想いが感じられます。
(1)ユニクロ(ファーストリテーリング)
ファーストリテイリングは、世界を代表する日本発のアパレルブランドです。こちらのステートメントはみなさんお聞きしたことがあるのではないでしょうか。文言のスマートさや覚えやすさも大切であるということが感じられる良い例です。
ステートメントとミッションを達成するための大切にする価値観が詳細に定められています。

ステートメント
服を変え、常識を変え、世界を変えていく
ミッション
本当に良い服、今までにない新しい価値を持つ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します
独自の企業活動を通じて人々の暮らしの充実に貢献し、社会との調和ある発展を目指します
バリュー
お客様の立場に立脚
革新と挑戦
個の尊重、会社と個人の成長
正しさへのこだわり
行動規範
お客様のために、あらゆる活動を行います
卓越性を追求し、最高水準を目指します
多様性を活かし、チームワークによって高い成果を上げます
何事もスピーディに実行します
現場・現物・現実に基づき、リアルなビジネス活動を行います
高い倫理観を持った地球市民として行動します
(引用:FAST RETAILING , 「FAST RETAILING WAY (FRグループ企業理念)」〈https://www.fastretailing.com/jp/about/frway/〉, 2020年11月閲覧)
(2)ヤフー株式会社
ヤフー株式会社は、検索エンジンなどを提供するIT企業です。
「便利」という言葉がこの会社では重要視されていることが想像できます。また、情報技術というIT企業ならではの方法でミッションを定めていることがわかります。

ミッション
UPDATE JAPAN
情報技術のチカラで、日本をもっと便利に。
ビジョン
世界で一番、便利な国へ
ステートメント
買いたいものが、すぐ手に入る。
知りたいことが、すぐわかる。
世の中を便利にすればするほど、
人はもっと自由に、人生はもっと豊かに。世界に誇れる便利さで、すべての人の可能性を引き出したい。
オンラインとオフラインの境界を無くし、
100を超えるサービスを通じて、
日本を、世界で一番、便利な国へ
(引用:YAHOO! JAPAN, 「ミッション・ビジョン・ステートメント」〈https://about.yahoo.co.jp/info/mission/〉, 2023年2月閲覧)
(3)キリンホールディングス
キリンホールディングスは、世界規模で主にビールを扱う飲料メーカーです。
ミッションを達成するための手段が明記されていることが特徴的です。また、食に関連するという扱う商材ならではの手段を交えたミッションが立てられていることがわかります。
また、ビジョンには昨今話題のCSVが盛り込まれており、未来を見据えたビジョン計画ができていると感じられます。

ミッション
社会における永続的、長期的なキリンの存在意義
ビジョン
食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる
バリュー
熱意・誠意・多様性〈Passion. Integrity. Diversity.〉
コーポレートスローガン
よろこびがつなぐ世界へ
(引用:キリンホールディングス, 「企業方針」〈https://www.kirinholdings.co.jp/company/philosophy/〉, 2023年2月閲覧)
(4)メルカリ
メルカリは、フリマアプリ「メルカリ」などのサービスを運営する会社です。
「世界的な」という文言から、日本だけでなく世界へと進出する目論見があることが感じられます。具体的な言葉を盛り込むと、その企業のミッションがより明確に見えるものです。

グループミッション
あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる
ミッション
新たな価値を生み出す 世界的なマーケットプレイスを創る
(引用:mercari careers, 「ミッションとバリュー」〈https://careers.mercari.com/jp/mission-values/〉, 2020年9月閲覧)
(5)ソフトバンクグループ
ソフトバンクグループは、携帯事業をはじめとした、IT関連事業をとり行なっています。
IT企業ならではの「情報革命」というキーワードを用いて、経営理念を策定しています。経営理念・ビジョン・バリューのどれも分かりやすい端的な言葉で表されているのが特徴的ですね。バリューもよく世間に浸透しており、バリューに対する従業員の愛着度も高まります。

経営理念
情報革命で人々を幸せに
ビジョン
世界の人々から最も必要とされる企業グループ
バリュー
努力って、楽しい。
(引用:Softbank, 「経営理念・ビジョン・バリュー」〈https://www.softbank.jp/corp/aboutus/philosophy/〉, 2020年11月閲覧)
(6)ランサーズ
ランサーズは、日本最大級のクラウドソーシング事業を行う会社です。こちらも人々の持つ力を効率よく活かそうとする、会社の事業に基づいたミッションが立てられていることが分かります。

ミッション
個のエンパワーメント
ビジョン
テクノロジーで誰もが自分らしく働ける社会をつくる
行動指針
最高か最速
プロフェッショナル
チーム・ランサーズ
(引用:Lancers, 「ミッション・ビジョン・行動指針」〈https://www.lancers.co.jp/mission/〉, 2020年11月閲覧)
(7)ワンスター
株式会社ワンスターは、デジタルマーケティング領域のコンサルを強みとするグループ会社です。
「理念経営」の実践企業として、分かりやすく無駄のない理念が立てられています。

ビジョン
無数の新しい価値で、多数の世界一を
企業理念
Be STAR
基本的価値観
信頼:
信頼し合える関係を多く築いていたい。
多くの人から信頼されていたい。
開拓者精神:
自ら道を創り出したい。
新しい価値を生み出したい。
Win-Win:
自分だけでなく、
関わる全ての人が幸せな状態でありたい。
成長志向:
成長し続けたい。
環境に依存せず努力し続けたい。
社会的使命
新しい価値を生み出して、
顧客創造・顧客貢献を行い、
幸せの総量を増やす。
行動指針
「信頼」に基づく行動指針:
相手の立場・挨拶・感謝・No1・約束
「開拓者精神」に基づく行動指針:現場主義・挑戦・スピード・前向きな姿勢
「Win-Win」に基づく行動指針:自立・先義後利・情報共有・仕組み化・コスト意識・協力
「成長志向」に基づく行動指針:自責の念・当事者意識・チャレンジ・目的意識・学び教える・全力
ワンスターの理念経営について、詳しくはこちらをご覧ください。

上場企業100社のMVVまとめ集
ourly株式会社では、上場企業100社のMVVや経営理念などを1つのシートにまとめた資料をお配りしております。
各社特色のある様々なMVVや経営理念の事例がまとめられています。策定にあたってぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

ご興味お持ちの方はぜひこちらよりダウンロードください。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)策定は重要な経営課題
ここまで解説させていただいた通り、ミッション・ビジョン・バリューは会社を中長期的に経営していくために、重要な概念となっています。
特に平成が終わり令和に入って、人材の流動化や、リモートワークの進展しています。それに伴い企業は、利益の追求のみならず、人材確保のためにも社会貢献の姿勢を示す必要性がでてくることがわかります。
この記事が、ミッション・ビジョン・バリューの理解や、策定・浸透の手助けになれば幸いです。