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人材データベースとは?必須項目と注意点を把握すればエクセルでも作成可能

人材データベースとは、従業員の基本属性に加え、スキルや人事評価など、あらゆる情報をまとめて可視化したものです。情報を保存しておくだけでなく、共有、分析することで人事戦略に活かし、生産性を向上させるなどの目的があります。

膨大な情報を集積しなければならないため、情報の更新、検索、他システムとの連携などが容易なITシステムを活用する方法が一般的です。

本記事では、人材データベースのメリット、構築時の必須項目や注意点を解説します。さらに、エクセルでの人事データベースの作成についても解説していきます。

目次

人材データベースとは

人材データベースとは、人材に関わるあらゆるデータを集積し、可視化したものです。集められる情報は多岐にわたります。性別・年齢・所属・役職などの基本属性から、業務履歴、資格やスキル、人事評価の結果など、個々の人材の個人情報が集積されています。

人材データベースは、人事情報を集積することだけが目的ではありません。関係部署で共有・分析することで人事施策や戦略の立案に活用し、人的資源を最大限有効に活用するためのデータとして用いられます。

集められた人事情報は膨大なデータ量となるため、人事データベースの運用は、ITシステムを利用することが一般的です。昨今ではクラウド型のサービスも多くリリースされており、比較的低価格で利用できることもあって、導入企業も増加傾向にあります。

データが一元的に管理できるため、検索性が増し、分析・活用が容易になります。給与計算などの関連業務との連動性も増すため、「人材」に関わる業務の大幅な効率化が期待できるでしょう。

人材データベースを作成するメリット

人事情報は機密性の高いデータです。データベース化して一元的に管理することでセキュリティの強化が可能になるでしょう。個人情報保護の観点のほかにも、人事データベースを構築するメリットは数多く存在します。

メリットとして挙げられるのは、以下の5点です。

  • 人材データの可視化による人事戦略の最適化
  • 人事評価の公平性の保持
  • 優秀な人材の確保
  • 働き方改革の実現
  • 人事管理業務の効率化

人材データの可視化による人事戦略の最適化

人材データベースが整備されることで、所属する人材の人事情報が可視化されます。各個人の経験職務やスキル・適性が一元的に把握できるため、人事異動に際して適正配置が進み、ミスマッチが生じにくくなります。

昨今注目を集めている人事施策である、「タレントマネジメント」においても人材データの可視化は必須です。タレントマネジメントが実現することにより、個々の人材の特性が把握できます。人員配置や育成をはじめとした、全社的な人事戦略の最適化が期待できるでしょう。

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人事評価の公平性の保持

人事評価にデータを活用することにより、客観性の高い評価が可能になります。人事評価への不満は、評価者の主観が入るなど、適切な評価がなされない場合に生じます。不満が高じると最悪の場合、離職に発展するケースもあるため、人事評価の公平性は保たれなくてはいけません。

人材データが評価結果の裏付けとなることで、不適切な評価を排除しやすくなります。不満を訴える従業員に対しても、データを示すことで納得感を与えられるでしょう。

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優秀な人材の確保

人材データベースの活用により、将来の幹部候補となる優秀な人材を見出せます。こうした人材には、適切な時期に適度な成長機会を与えることで離職を防がなくてはなりません。もっとも避けなくてはならないのは、人材を管理せず放置することです。

また、現在自社で活躍している人材の特性を、人材データベースの分析により把握できます。採用基準に盛り込むことで、より精度の高い採用選考が可能になり、優秀な人材の獲得が進むでしょう。

働き方改革の実現

政府が提唱する「働き方改革」により、企業は長時間労働の是正や柔軟な働き方の提供など、さまざまな取り組みをおこなう必要が生じています。大規模な企業では、各従業員の勤務状況を詳細に把握することは困難です。現場の報告だけを頼りに長時間労働改善の施策を講じても、効果的ではありません。

人材データベースの活用により、従業員ごとの勤怠状況や働き方を詳細に把握できます。長時間労働の是正には、データによる客観的な情報を加味することで、より有効な施策が可能になるでしょう。

人事管理業務の効率化

従業員を雇用する企業には、「労働者名簿」の作成と保管が義務づけられています。昨今では人材データベースを、労働者名簿の代替とする企業も増えているようです。比較的低価格で利用できるクラウド型のサービスが充実したことにより、人材データベースを従業員マスタの代わりに活用する方法が浸透しているためです。

従来のように、基幹システムによる大掛かりな管理が必要なくなるため、金銭的・人的コストの削減にもつながり、人事管理業務の効率化が見込めます。

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人材データベースはエクセルなら無料で作成可能

人材データベースの構築は効率的な組織運営に欠かせませんが、コスト面がネックになり導入に踏み切れない企業もあるのではないでしょうか。そのような場合は、エクセルを利用して人材データベースを作成することも可能です。

エクセルは、一定の法則でデータを入力し蓄積することにより、十分にデータベースとして機能します。従業員数の少ない企業や、管理項目を多くしすぎなければ、エクセルでも十分な管理ができます。まずはエクセルで簡易的に人材データベースを作成し、有用性を確認した後でクラウドサービスを契約し、データを流し込むといった方法も可能です。

人材データベースの項目

ここでは人材データベースに登録する項目を解説します。基本的な項目にプラスして、自社の活用目的にあわせた項目を設定するとよいでしょう。

主な項目を以下に5つ挙げます。

  • 基本属性
  • 実績・人事評価
  • 勤怠
  • 資格・スキル
  • マインド
  • 行動データ

基本属性

基本属性は人材データベースの基礎となる項目です。氏名や年齢など個人を特定する項目が必要になります。基本情報を曖昧に登録してしまうと、後にデータ抽出をおこなう際に不具合を生じる可能性があるので、確実に登録しなくてはなりません。

具体的には以下の通りです。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 入社年月日
  • 年齢
  • 性別
  • 役職
  • 等級

これらの項目に加えて、現在の担当職務についての情報も盛り込むとよいでしょう。役員などの上層部は、すべての従業員の担当職務を把握することが難しいためです。また、昨今ではダイバーシティの観点から、性別のデータに関しては、慎重に取り扱う企業も増えています。

実績・人事評価

入社前の経歴も含め、入社から現在にいたるまでの個人の履歴を登録する項目です。これまでどのような業務を担当し、どのような成果を上げてきたのかを把握することで、人員配置に役立てられます。そのほか人事評価の履歴も、個人のパフォーマンスを把握する指標として活用できるでしょう。

  • 職歴・キャリア
  • 学歴
  • 所属履歴
  • 評価履歴
  • 研修受講履歴
  • 上司・部下履歴
  • 成果
  • 表彰・受賞履歴

などが具体的な項目として挙げられます。

勤怠

勤怠データは、個人の勤務状況を把握するために必要な項目です。勤怠データを検証することで、体調面や仕事へのモチベーションなど、個人の状態を推察できます。

また、働き方改革の推進には現状の勤務状態を把握し、問題点を抽出することが欠かせません。長時間労働が常態化している個人や部署があれば、早急になんらかの対策を講じる必要があります。

  • 残業時間
  • 入室時間・退室時間
  • 遅刻
  • 早退
  • 欠勤

などが主な項目として挙げられます。

資格・スキル

資格やスキルに関する項目は、人材育成や配置転換の際の重要な情報です。人材の保有スキルを把握しておくことで、適材適所の人員配置が実現します。多くの従業員が能力を発揮できる業務を担当すれば、企業全体の生産性も向上するでしょう。

また。新規事業の立ち上げに有資格者が必要な場合、社内にその資格を持っている人材がいないかすぐに確認できるため、スピーディーな人選が可能になります。

  • スキルレベル
  • 語学力
  • 保有資格

などが項目として挙げられます。

マインド

従業員のマインドは、企業の生産性を左右する重要な項目です。各個人のモチベーションの状態を把握することで、生産性の向上や離職防止への対策が可能になるでしょう。

従業員のマインドは目に見えにくいため、アンケートやサーベイを実施して可視化する必要があります。また、上司との面談履歴なども貴重な手がかりです。

  • 適性検査結果
  • キャリア志向
  • 満足度サーベイ結果
  • 面談履歴
  • 上司メモ

こうした項目を設定するとよいでしょう。

行動データ

従業員にウェアラブル端末を支給して、行動データを収集・活用する企業も増えてきています。こうしたデータと、各種成果や能力との関連を分析し、人事施策に役立てようとするものです。

具体的には、ウェアラブル端末から以下のデータを収集します。

  • 位置情報
  • 心拍数
  • 発言時間

外出の多い営業職や、テレワークなど上司が目視で管理できない勤務形態において、客観的な評価指標とすることが期待できます。しかし、こうしたデータは、専門家の手を借りなければ、有用なデータとして活用することは難しいでしょう。

人材データベース作成時の注意点

人事情報は機密性の高いデータです。人材データベースはセキュリティ面を十分に考慮して作成しなくてはなりません。また使用目的や収集するデータの取り扱いについては、従業員に十分に説明し、理解を得ておくことも大切です。

人材データベースは、以下の3点に注意して作成することが求められます。

  • 目的と収集データを明確化し従業員へ周知する
  • 個人情報の取り扱いに気を付ける
  • 段階的に導入する

詳しく解説します。

目的と収集データを明確化し従業員へ周知する

人材データベースは、使用目的を明らかにした状態で作成に入ることが鉄則です。目的が曖昧なままだと、必要な機能やデータが備わっておらず、有効活用できないといった事態に陥る恐れがあります。目的を明確にするには、経営層の意見と活用する現場の意見をよくすり合わせることが必要です。

目的が明確になれば、収集すべきデータと必要な機能も明らかになるでしょう。また人材データベースを作成することや、データの使用目的を従業員へ周知し、十分な理解を得なくてはなりません。

個人情報の取り扱いに気を付ける

人材データベースに盛り込む情報は、個人情報です。社内において、もっとも機密性の高い情報の部類に入ります。さらに、評価結果や給与などは、特にデリケートな情報であり、取り扱いには十分な注意が必要です。

人事データベースは情報項目に階層を設け、閲覧権限を明確に定めるなどして、関係者以外の目に触れることがないようにしなくてはなりません。情報漏洩のリスクを限りなく排除した、厳密な運営が求められるのです。

段階的に導入する

人材データベースの作成は、最初から完璧を目指すとうまくいかないことが多いようです。収集するデータの範囲を広げすぎた場合、データの入力や更新に時間を取られてしまい、本来の目的であるデータ活用にまで手が回らないことが考えられます。

導入時は特定の部署やプロジェクトなどに限定し、試験的に作成してみることが望ましいでしょう。まずは小規模な運用で検証を重ねながら、ノウハウを蓄積していきます。ある程度定まった段階で、全社規模のデータベース構築に取り掛かると、大きな失敗を避けられます。

人材データベースとしての活用も ourly profile

ourly profile(アワリープロフィール)は、個人のプロフィール機能や組織図機能などにより、組織のサイロ化を解消する社内コラボレーション創出ツールです。

3つの大きな特徴により、リモートワーク下でも部署を超えた相互理解やスキル管理を実現します。

  • 人となりが一目でわかる自己紹介画面
  • 独自の探索機能により、思いがけない出会いを創出
  • 組織図により、チーム・部署を超えて組織を理解できる

社員名などの基本的な検索機能に加え、所属部署や役職、Q&Aの回答項目などさまざまなセグメントでメンバーを絞り込むことができます。

それにより「この人こんなスキルを持ってたんだ!」「プロジェクトで行き詰まったから同じような経験ある人にアドバイスをもらおう」など、これまでになかった”開かれたスキル管理”を社内で実現します。

料金については、従業員規模に応じて幅広くご用意しております。詳しくはサービスページをご覧ください。

サービスページはこちら

人材データベースを活用して生産性向上を目指そう

三大経営資源と呼ばれる「ヒト・モノ・カネ」のうち、人材はもっとも重要な資源といっても過言ではありません。人材データベースを活用することは、この重要な経営資源を有効に活用し、企業力を高めることにつながります。

人材データベースは、機密性の高い個人情報の集積です。データの収集・作成・運用には従業員の十分な理解を得ることが必要です。Web社内報を活用するなどして、人材データベースの有用性を、広く従業員に説明することが求められるでしょう。

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この記事を書いた人

Kanei Yoshifusaのアバター Kanei Yoshifusa ourly株式会社 コンサルティングセールス・組織開発チーム

前職は店舗ビジネス向けの業務効率化SaaS事業を展開する企業でCSに従事。
その後、ourly株式会社に参画。
200社以上の企業に組織課題解決の提案、現在30社の組織開発を支援。
富山県上市町出身。趣味は筋トレ/声マネ/滝行。

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