エフィカシーとは?高める4つの方法や組織にもたらす影響を解説
エフィカシーとは、日本語で「自己効力感」と訳されることの多い心理学の概念です。
- 「自分なら結果を出せる」
- 「自分には解決する力がある」
このように、自分自身の可能性に対して自信を持てる状態を指します。
予測不可能な時代において、企業が成長するカギを握るのは社員一人ひとりの挑戦や実行力であり、これを支えているのがエフィカシーです。
本記事では、エフィカシーを高めるための方法4つと、上司が気を付けるべき点を解説します。エフィカシーの3つのタイプや、組織への影響も説明しているので参考にしてみてください。
エフィカシーとは?
エフィカシーとは、日本語で「自己効力感」と訳されることの多い心理学の概念です。
「自分には確実な成果を出す力がある」「自分であれば成功できる」など、自分自身の可能性を信じている状態であればエフィカシーが高いと評価できます。
仕事をするうえでもエフィカシーの高さが重要になることは多く、自信の現れが周りからの信頼につながることも多いです。反対に、エフィカシーが低いとどこか自信がないように見え、頼りなく見えてしまうことがあるので注意が必要です。
エフィカシーが高い人の特徴
エフィカシーが高い人の特徴として、下記が挙げられます。
- ポジティブシンキングである
- 当事者意識が強い
- 失敗や困難に立ち向かえる
- 過去に成功体験を積んでいる
- コミュニケーション能力が高い
- 自己肯定感が強い
このような特徴があると、エフィカシーが高くなりやすいと言われています。
エフィカシーが高い人は根拠のない自信を持つ人のように見られることがありますが、常にポジティブで人からの信頼が厚く、過去の成功体験をもとに次も成功するイメージを持てているからこそエフィカシーが高くなっている場合が多いのです。
エフィカシーと自己肯定感との違い
エフィカシーと似た言葉として「自己肯定感」が挙げられますが、実は2つの意味合いは少し異なります。
自己肯定感とは、「ありのままの自分を肯定する感覚」のことを指します。つまり、失敗しても人から多少嫌われても、それがありのままの自分であり無理に周囲に合わせる必要がない、とおおらかに考えられる状態のことを指すのです。
一方エフィカシーは「成功する」ことに対する自信の現れであり、成果の有無がつきまといます。成果を出せると確信できている状態がエフィカシーであり、成果の有無に関わらず自分を肯定できている状態が自己肯定感、と理解するのがよいでしょう。
エフィカシーの3つのタイプ
エフィカシーには、3つのタイプが存在します。
どのジャンルでの成功を確信しているか次第でタイプが分かれるので、下記を参考にしてみましょう。
自己統制的自己効力感
自己統制的自己効力感は、エフィカシーのなかで最もオーソドックスなタイプです。「自分であればできる」「自分なら成功するはず」と思える気持ちのことを指します。
具体的な目標を掲げてチャレンジするときや、自分の今の実力以上のことに挑戦するときに効果を発揮することが多く、何事にも臆すことがありません。たとえ失敗しても「次こそはうまくいくはず」と捉えられるので、挑戦心が挫けることも稀です。
社会的自己効力感
社会的自己効力感とは、円滑な対人関係の構築に自信を持つタイプです。
コミュニケーション能力に長けているため周囲からの信頼が厚く、老若男女問わず好かれることが多いです。仕事をするうえでも、上司・部下・取引先など垣根なくさまざまな人とコミュニケーションできるので、仕事の能率が上がります。
また、自分の意見を上手く伝えることができるので、細かな交渉や折衝に向いている人材でもあります。
学業的自己効力感
学業的自己効力感とは、勉強・研究・学習に自信を持つタイプです。
大学受験や資格試験の受験で成功してきた経験を持つ人が多く、コツコツとした努力を厭いません。細かなデータ収集や長期的な努力も得意なので、縁の下の力持ちになることもあります。
また、知識欲が豊富なので常にハングリー精神を持って最新情報を仕入れることも得意とします。時代に即した知識を持てるので、周りから頼りにされることも多いでしょう。
エフィカシーが組織にもたらす影響
エフィカシーが高い人は、組織全体にもポジティブな影響をもたらします。何事にもポジティブに挑戦してくれるエフィカシーの高い人が集まれば、イノベーションが起きやすくなるでしょう。
下記では、エフィカシーの高い人が組織に与える影響について詳しく解説します。
業績アップに貢献する
エフィカシーが高いと何事にもチャレンジしやすくなるので、業績アップに貢献します。見込みの低いリード客にも積極的にアプローチしたり、新しいツールを駆使して業務改革に着手したりできるので、収益を底上げしてくれるでしょう。
一度失敗してもめげずに「何がいけなかったのか」を客観視しながら分析できるので、ノウハウやナレッジを共有しながら組織力を強化してくれる人材になることも多いです。若いうちから精力的な行動ができるので本人の昇進・昇格も早く、理想的なロールモデルになるでしょう。
周囲のモチベーションを高める
エフィカシーが高い人は、周囲のモチベーションを高める点でも貢献してくれます。
「あの人が頑張っているから自分も頑張ろう」といつの間にか周りをポジティブシンキングにしたり、消極的な人もチーム単位で巻き込んだりしながら行動できます。周りからの信頼も厚くなり、円滑な社内コミュニケーションができるようになっていくでしょう。
新入社員など若手人材のエフィカシーが高ければ、上のポジティブに就く人も負けじと努力するようになります。また、マネージャーや部署長のエフィカシーが高ければ部下の目標になりやすいなど、さまざまなメリットが生じるのです。
組織内に温度差をもたらす場合もある
エフィカシーが高いことで得られるメリットは数多いものの、時には組織内の温度差をもたらすこともあるので注意が必要です。
極端なポジティブシンキングに周りがついていけず、無謀な自信だと捉えられてしまうこともあるでしょう。また、「ひとりで空回っている」「優先順位を見誤って行動している」など反感を買うこともあり、必ずしもメリットばかりとは言えません。
組織の相互理解がエフィカシーのメリットを最大化することを意識し、対策していきましょう。
エフィカシーを高める方法
ここでは、エフィカシーを高める方法を4つ紹介します。
自分のエフィカシーを高めたいときはもちろん、部下のトレーニングやマネジメントに役立つことも多いのでぜひご参考ください。
成功体験を増やす
エフィカシーは、自己体験に紐づくものとされています。
努力が正当に評価された経験があれば、模倣しながらアレンジを加えるなど自分なりの努力を続けやすくなるでしょう。「少しずつ成長している」という実感を持ちやすく、次の挑戦が怖くなくなります。
反対に、失敗ばかり続くことがあると成功体験を積めず、チャレンジすることが怖くなってしまいます。無理に大きなプロジェクトから任せず、スモールステップで成長することを意識して業務分担していくのが理想です。
知識や情報をインプットする
知識や情報のインプットが多いと客観的な成功パターンを読みやすくなり、自信がつきます。「成功している人の事例を真似る」「業界のトレンドをサービス開発に活かす」など多彩なアレンジができるので、成功を確信しやすくなるのです。
一方、知識が薄いと自分の判断に自信が持てず、どこか頼りない提案ばかりする人になりかねません。社内で勉強会を定期開催したり、勉強に必要な書籍費やセミナー参加費を会社が福利厚生の一環として支給したり、社を挙げてバックアップする体制を整えましょう。
エフィカシーが高い人と関わりを持つ
エフィカシーを高めたいときは、エフィカシーが高い人と関わりを持つことも大切です。
前述の通り、エフィカシーが高い人は周囲の人のモチベーションを上げることが多いです。「君ならできる」と背中を押してもらったり、自分ひとりでは尻込みするようなチャレンジができたりすることも多く、それが成功体験につながることもあります。
また、スキル指導をしてもらったりノウハウやナレッジを共有してもらったりする機会も多くなるのもポイントです。ロールモデルとなる存在が身近にいるのであれば接点を増やし、学べるところがないか探っていきましょう。
定期的にフィードバックの機会をつくる
定期的にフィードバックの機会をつくり、「何が成功の要因になったのか」「どうすれば失敗を防げたか」を分析することが大切です。
複数回繰り返すことで自分でも意識していなかった成功パターンがわかるようになり、自信が持てるようになるケースもあるでしょう。1on1ミーティングの場を使った振り返りや、定期的かつポジティブな声かけなども有効です。
就業前後の時間を使って自らの行動を振り返るのも、フィードバックの機会となります。自分のエフィカシーを高めたいときは、振り返り時間を確保してみるのもおすすめです。
エフィカシーを下げてしまう危険な行動
上司の行動次第で部下のエフィカシーが高まる一方、エフィカシーが下がってしまうこともあるので注意が必要です。
例えば、ネガティブなフィードバックばかりしてしまうことが挙げられます。
成功のカギを分析するためによかれと思ってフィードバックしているつもりでも、いつの間にか指摘や注意の割合が高まってしまうことがあります。部下は「叱責されることが増えた」「実力が足りず迷惑をかけている」と委縮してしまい、却って自信をなくしてしまいます。
ポジティブなフィードバックの比率を高めるよう意識し、自信を持たせることを第一目標に据えてミーティングしていきましょう。
また、成功体験を積んでほしいからと実力以上の無理な目標を与えることも禁物です。
上手く成功に至ったとしても「ノルマがキツすぎた」「二度と同じことはしたくない」とネガティブに受け取られてしまうことが多いです。もちろん、目標を達成できなかった場合は自信がなくなり、エフィカシーは下がってしまいます。
本人任せにせずレベルにあった業務指示をするなど工夫し、少しずつ自信をつけてもらえるよう対策していくことが重要です。
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エフィカシーを高めて組織の成長につなげよう
エフィカシーとは、「自分なら結果を出せる」と自信を持って信じられる状態のことを指します。エフィカシーが高い人材が多いと業績が上がりやすく、周囲へポジティブな影響を与えるなどメリットが増加します。
既にエフィカシーの高い人材がいれば組織のロールモデルとなってもらうため、インタビューなどを社内報に掲載してもよいでしょう。思わず「自分も頑張ろう」と思ってしまうような人材を増やすことが、組織の成長を後押しします。
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