社内広報とは?役割や目的・取り組むべき6つの具体的な方法と成功事例・成果の測定方法

2020年のコロナウイルスの流行でリモートワークが進み、社内の生産性は保たれているでしょうか?

そのほか一般化する転職などで、インナーコミュニケーションや従業員エンゲージメントに課題を感じている方が増えています。

社内広報は、社内に会社の情報を共有することに加え、そうしたインナーコミュニケーションや従業員エンゲージメントなどの課題に有効に働くツールとなります。

目次

社内広報とは?注目される背景と共に紹介

注目される社内広報の意味する事柄や、注目の背景について詳しく解説します。

社内広報とは

社内広報とは、社内向けの広報施策を指します。社内を対象に、企業の情報や社員の情報、また企業理念やビジョン、経営層のメッセージの伝達など、様々な情報の伝達を行います。活用するツールとしては、社内報イントラネットが一般的です。

社内広報は、社内に会社の情報を共有するという伝達手段だけに留まらず、社員のモチベーションを上げたり、理念やビジョンの浸透や社員間コミュニケーションの促進によって、成果向上や離職率の低下などが見込めるという特徴があります。

社内広報の主な取り組みとしては、

・社内報の運用
・社内SNSでの情報共有
・イントラネットでの情報共有
・メルマガの配信
・取材の対応
・上記情報発信のための情報収集、取材

などが挙げられます。それぞれ次章以降でより詳細に解説いたします。

社内広報が注目される背景

社内広報が注目されているのは、人材の流動化が原因です。

皆さんご存知のとおり、日本では少子高齢化や終身雇用制度の崩壊が進んでいます。こうした変化は、労働市場における売り手市場や、転職の一般化として表されています。

そんな日本の会社だからこそ、理念やビジョンの共有や社員間コミュニケーションを促進することによって、社員と会社のつながりを意味するエンゲージメントの向上に寄与する「社内広報」が重要となるのです。

エンゲージメントについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

関連記事:従業員エンゲージメントを高める方法は?効果・導入ポイント・課題・事例

社内広報の目的と役割

社内広報は、会社の情報を社内全体に共有することを行う上で、様々な役割をになっています。ここでは、そもそもの社内広報の目的とその役割をご紹介します。

社内情報の共有

まずはじめに想像しやすいのが、この社内情報の共有でしょう。社内広報担当者は、会社に関する情報を収集し、それを社内全体と共有する役割を担っています。

日頃の細かい庶務伝達から社内イベントの告知、社員の紹介や社外メディアへの掲載など多岐にわたる情報の共有を行います。

ツールとして、社内SNSや社内報、イントラネットなどを使うことによって、従業員全員に共有します。

企業理念やビジョンの共有・浸透

社内広報は、簡単に繰り返し行うものであるため、情報の”浸透”に有効です。

特に企業理念やビジョンの共有・浸透は、社内広報で扱いやすい内容と言えます。従業員に、会社に対する共感ポイントを創り出し、エンゲージメントを期待します。

例えば社内報で、創業者に経営理念を語ってもらいましょう。すると、創業者となかなか接点のない従業員も、会社で働く意義を再確認し、エンゲージメントのアップにつながる可能性があります。

企業文化・風土の醸成

企業文化や風土は、社内広報の活用によって戦略的に作り出すことができます。具体的には、創業者・経営者インタビューなどのコンテンツを活用します。

そもそも企業文化とは、会社の経営理念や創業者・経営者の思いから作られる価値観です。企業文化・風土が醸成している企業は、会社全体で意思決定に統一感があり、社外からもブランドとして確固たるものとしてみられます。スターバックスをイメージするとわかりやすいでしょう。

企業文化・風土について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

関連記事:企業文化とは?重要視される理由と醸成・浸透方法、他社事例10社徹底紹介!

社員間コミュニケーションの促進 

社内広報は、使用するツール次第で、従業員や部署間のコミュニケーションを活発にできます。具体的なツールとしては、社内用SNSです。SNSであれば、気軽に双方向のコミュニケーションを行えます。

社員間のコミュニケーションについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

関連記事:社内コミュニケーションはなぜ必要?施策と他社事例・チェックリスト

社内研修

社内広報を利用して、新入社員や新しい部署・役職についた従業員向けに、簡単な研修を行うことができます。教育制度が十分に整っておらずとも、事業部ごとに資料を準備しておけば、ツールを使って効率的に研修を行うことができます。

⑹人材のリテンション

日本の離職理由の上位に「会社の将来に不安を感じた」があります。こうした不安は経営者との距離感の遠さや、経営理念の共有が充分でないことが原因として考えられます。

また、若手社員は慣れない仕事への不安から、社内環境にストレスを感じることも多いでしょう。

社内広報には、社内の風通しを改善し、働きやすい環境を作る効果があります。社員が少しでもその会社にいたいと思えるような環境作りを、社内広報で実践するのです。

取り組むべき6つの社内広報活動

それでは、どのような広報活動を行えば、上記の目的を達成できるのでしょうか。ここでは以下6つの取り組むべき広報活動をご紹介します。

・社内報の運用
・社内SNSでの情報共有
・イントラネットでの情報共有
・メルマガの配信
・取材の対応
・上記情報発信のための情報収集、取材

それぞれについて詳しく説明します。

⑴社内報の運用

取り組むべき一つ目の広報活動は、社内報の運用です。社内報は社内広報における最も有効な手段であり、上記目標の全てに寄与します。

中でも社内報が効果を発揮するのは、企業理念やビジョンの共有・浸透企業文化・風土の醸成、また、社員間コミュニケーションの促進です。社内報は、普段は関わりの持ちにくい経営層と社員や、他部署の社員同士が互いを知る一番の機会です。

経営層は企業理念や経営理念、自身のイメージしているビジョンを直接社内報のネタとして掲載し、また、会社の文化や風土を醸成するための企画を用意することで、上記目標に効果が見られ、これらは社員間のコミュニケーションを活発にもさせます。

また社内報には時代に合わせたWEB社内報と、従来から存在する紙社内報の2種類が存在します。以下で簡単に両者の違いを解説します。

WEB社内報

リモートワークの導入が進む中、インターネットに接続できればどこでも閲覧可能であるため、今後の社内広報の中心となっていくでしょう。また、サービスによっては、読了率や読了時間などのデータを収集でき、成果の見える化と改善を行うことができます。

主なメリット

  • 素早く発行できる
  • 閲覧数などのデータ計測による成果の見える化と改善
  • 修正ができる
  • 紙の社内報に比べコスパが良い

紙社内報

社内報といえば紙のものを想像する方が多いのではないでしょうか。電子書籍は読まないという方がいるように、紙ならではのメリットがあげられます。

主なメリット

  • フォントや構成など自由に作りやすい
  • じっくりと読まれやすい
  • 部分を強調しやすい

⑵社内SNSでの情報共有

日々会社では、社内全体に多くのことを共有しています。新サービスの開始、社内報の発行、セミナーの開催、社内イベントの通知、部活動の活動報告などなど、多種多様です。そんな情報の共有に最適なのが、SlackやChatwork、Line Worksなどを代表にする社内SNSでしょう。

社内SNSを運用するのも、社内広報担当の役割です。伝えるべき情報を端的にタイムリーに、そして通知の量も適切な程度に調整するなど、即時で、細かな配慮が重要です。

⑶イントラネットでの情報共有

3つ目の広報活動は、イントラネットを用いた情報共有です。
イントラネットとは、企業など1つの組織内のみで使われるネットワークのことです。インターネットの組織内版ですね。電子掲示板と呼ばれたりしています。インターネットと同じく、情報の蓄積や共有に便利です。

社内SNSでの情報と比較すると、中長期的で、重要度の高い情報を掲載します。具体的には、会社の規則や組織図、社内報の蓄積などです。

⑷メルマガの配信

4つ目の広報活動は、社内に流すメールマガジンです。
こちらは社内SNSと併用するのが良いでしょう。なんなら社内SNSに統括しても良いでしょう。企業の人数の多さや部署などの組織で区切るなど、必要に応じて活用しましょう。

配信するコンテンツの内容に合わせた部署のアサインで、簡単に運用できます。配信の簡易性から、例えば社内イベントの告知や、オフィスの工事予定の連絡なども、メールマガジンを通して行うことができるでしょう。

⑸社内イベントの開催・運営

5つ目の広報活動は、社内イベントです。
社内イベントは、単に従業員同士の交流を図るラフなイベントから、社内の従業員に対して何か企業情報を周知させたり、理念やビジョンの共有をしたりと、社内広報活動に関連するイベントなどがあります。

社内広報担当は、特に後者のイベント開催時に、主催者と協力して社内イベントを行うことが必要です。
社内イベント当日の様子を記録することも忘れずに行いましょう。

⑹社内広報のための情報収集

最後は、上記5つの広報を行うための、社内の情報収集です。
社内SNSを通して即座に共有するべき情報や、社内報を使って定期的に社内コミュニケーションを行うための情報など、とにかく社内の情報を収集します。

また、時には、社外の情報を収集することも必要です。競合相手の動向や、はたまた会社が取材を受けたことなど、必要に応じて情報を収集します。

こちらに関しては、次章で詳しく解説いたします。

社内広報のための情報収集のやり方

実際に社内広報を行う場合、配信するコンテンツとなる社内情報を集める必要があります。ネタ集めですね。やり方として4つ紹介します。

⑴各部署の日報・月報をチェックする

日報や月報を見ることで各部署がどんな仕事を、どれくらいしているのかが分かります。

数字で成果を把握し、気になる部署を見つけましょう。また、成果の出ている部署を公開し称賛して、従業員のやる気を刺激することもできます。

⑵各部署に取材する

自分の所属していない部署のことは、同じ社内であっても意外と把握していないものです。成果を上げている部署や、目立たない部署などを取材して、インナーコミュニケーションの活性化を図りましょう。

インナーコミュニケーションについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

関連記事:インナーコミュニケーションとは?効果や種類、他社事例、導入ポイントと対策

⑶各部署・管理職と話をするorレポートをまとめてもらう

管理職と部下とでは、どうしても距離感が離れていたり、コミュニケーションの機会が少なかったりします。しかし管理職の方だからわかる視点や、考え方があることは事実で、それを共有することで得られる学びは多いはずです。

⑷社内イベントに積極的に参加する

社内イベントでコミュニケーションを積極的にとり、様々な情報を集めましょう。

ここで1つ注意点として、社内広報を行う目的を忘れないことが大切です。どんな目的のために、どんな情報が必要なのかを明確にしてから行動しましょう。プライベートの話だけで終わってはもったいないですよね。

社内広報の測定方法

社内広報を行っていく中で、よく疑問に思われることがあるのではないでしょうか。「どうやって社内広報の成果を測定しよう?」と。

営業なら契約獲得数で、マーケティングなら認知獲得数で、など、ある程度数値に基づいて評価が可能ですが、社内広報の場合はどうでしょう。大抵の場合、数値化なんてできないからいいや、として評価者の塩梅で評価をしています。

しかしそれでは、評価の根拠も示しづらく、評価される側もなんだか曖昧な気持ちで、何より改善が望めません。
ここでは、そんな時のために、社内広報の成果の測定方法の一例をご紹介します。

エンゲージメントサーベイ

まず一つ目として挙げられるのが、エンゲージメントサーベイです。
エンゲージメントサーベイとは、その名の通り、社員のエンゲージメント度数(社員と会社の繋がりの強さ・貢献意欲)を集計する仕組みです。

社内広報の大きな目的には、上記で述べた通り、社員の離職防止や成果の向上があります。言い方を変えれば、社員のエンゲージメントを向上させることが目的とも言えます。エンゲージメントが高い社員は、離職率の低下や成果の向上が望めるためです。

株式会社リンクアンドモチベーションが実施した調査(下グラフ)によれば、エンゲージメントは営業利益率にプラスの影響をもたらすということが示されています。

(引用:株式会社リンクアンドモチベーション,「エンゲージメントと企業業績」に関する研究結果を公開,<https://www.lmi.ne.jp/about/me/finding/detail.php?id=14>, 閲覧日2020年12月)

また、離職率の低下に関しては、エンゲージメントの高い社員は、その会社の理念やビジョン、また社員と同じ方向を向いていることが予想され、その理解は易いでしょう。

社内報の読了率

2つ目の指標として、社内報の読了率が挙げられます。

これはWEB社内報ならではの特徴であり、WEB社内報では、サービスによって、読了に関するデータを測定・管理する機能がついています。これこそ、社内広報活動の見える化をサポートするために付随された機能であり、このデータを観測することで、社内報による読了率の変化が分かります。

また、社内報のページごとの読了時間なんかも測定できる社内報であれば、どんな記事が社員が興味を持っており、逆にどんな記事が社員の興味がないのかが分かり、改善に繋げられます。

社内イベントの参加数

3つ目として、社内イベントの参加数が指標として挙げられます。
こちらは名前の通り、社内イベントにどれくらい社員が参加したのかを計測するということです。

社内イベントの良し悪しにも左右されますが、その広報の仕方やタイミング、またサポートの良し悪しといった観点で、結果が変わってくるでしょう。

社内広報を行う企業事例 3選

最後に社内広報サービスの導入事例を2社紹介します。特に、社内報イントラネットメールマガジンの導入にクローズアップしました。

カルビー株式会社

カルビーは、紙の社内報とweb社内報(イントラネット版)を導入しています。社内報企画コンクール「社内報アワード」の受賞歴もあり、社内広報のお手本となる企業でしょう。

ここで注目したいポイントは、2種類の社内広報の強みを、上手に活かしている点です。紙の社内報は、紙面でしっかりと読ませ、社内コミュニケーションを活性化させています。一方でwebは、速報性を重視した情報の発信を行っています

(引用:Calbee,「創刊45年の社内報が全国コンペティションで5部門の賞を受賞 情報共有や、ナレッジマネジメント、モチベーション向上などの広報施策に 速報性や検索性で冊子とイントラネットを使い分け活用」,<https://www.calbee.co.jp/newsrelease/201009.php>,2020年12月閲覧)

サントリーグループ

サントリーグループでは、環境意識向上のための環境教育を行うために、社内イントラネット社内報、eラーニングを活用しています。

社内イントラネットでは、環境に関する基礎知識や事業に関わる環境関連法規、社内ガイドラインなどを共有したり、社内報では、サントリーグループの最新の環境活動や情報を紹介し、従業員だけでなく、その家族への啓発にも役立てているそうです。

(引用:SUNTORY,「従業員への環境教育」,〈https://www.suntory.co.jp/company/csr/activity/environment/management/education/〉,2020年12月閲覧)

株式会社リクルートライフスタイル

リクルートライフスタイルは、メールマガジン型の社内報を導入しています。2017年にはweb社内報アワードの受賞歴があります。

特徴として、頻度の高いメール配信具体的なKPIの設定が挙げられます。KPIについては、メールマガジンのため第1にメールの開封率、第2に【6つの指標】の達成度合いを設定しています。【6つの指標】には社内広報を行う目的が挙げられています。こうした目的の明確化によって、社内広報を成功させることができるのでしょう。

社内広報を行うための外部サービス紹介5選!

社内広報の実施と継続をサポートしてくれる、頼もしいサービスを5つ紹介します。

ourly(アワリー)

株式会社ビットエーが提供する組織改善に効くWeb社内報『ourly(アワリー)』です。

ourlyでは、データを用いた記事分析ユーザー分析企業横断分析が可能です。これらの分析は、閲覧・読了率の計測システムや、社員の属性ごとの分析システムなどが可能にしています。

まさに組織改善に効く社内報サービスでしょう。

詳しく知りたい方は公式Webページをご覧ください。
https://service.ourly.jp/

SITE PUBLIS

SITE PUBLISでは、社内報クラウドサービスTSUTAERUを提供しています。
Web社内報の運用に特化したサービスで、高いコストパフォーマンスや充実した機能が特徴的です。

詳しく知りたい方は公式Webページをご覧ください。
https://www.sitepublis.net/

ヤマノ印刷

ヤマノ印刷では紙社内報の企画や発行を行うサービスを提供しています。
コンテンツの企画立案や取材、写真撮影など発行までに必要な仕事をになってくれるサポート体制が魅力的です。

詳しく知りたい方は公式Webページをご覧ください。
https://www.yamano-prt.jp/item/public.html

lumapps

lumappsは社内イントラネットを提供するサービスです。
Gsuiteやslackなどと連携可能で、モバイル版もあることから汎用性の高いイントラネットになっています。

詳しく知りたい方は公式Webページをご覧ください。
https://www.lumapps.com/ja/connect-your-organization-empower-your-employees/

blastmail

blastmailは、9年連続顧客導入数シェア No.1のメール配信サービスです。
さまざまな業種への導入実績をもち、配信だけでなく効果測定のツールも搭載されています。

詳しく知りたい方は公式Webページをご覧ください。
https://blastmail.jp/

社内広報を行う際の注意点 3つ

社内広報を始めても、なんとなく実施していたのでは意味がありません。これから社内広報を実施する方や、社内広報をうまく使いこなせていない方は、下記3つのポイントを確認してみてください。

⑴目的を明確に立てること

どんな仕事でも、目的を明確に立てることが大切ですよね。社内広報も同じく、目的を明確にしてから、情報収集や社内報の発行を行いましょう。

社内広報を実施する最終的な目的は「従業員エンゲージメントの向上」であり、目的達成のために社内広報に期待する役割・効果は、会社によって異なります

社内で新しく社内広報を始める場合は、社内広報でどんな効果を得たいのか明確にしてから行いましょう。

⑵成果をデータで管理すること

成果をデータで管理することで、社内広報の効果が可視化できます。

具体的にはアンケートを実施する方法があります。社内広報を始める前後にアンケートを行いましょう。効果の可視化だけでなく、従業員の抱えている不満や、社内の課題を明確化でき、自社の社内広報の目的を明確化できるでしょう。

⑶改善を行うこと

データを元に、使用するツールやコンテンツの改善を繰り返しましょう。社内広報の最終目的である従業員エンゲージメント向上は、短期では達成しません。変化し続ける従業員のニーズを捉え、長期での目的達成を目指します。

社内広報は重要な経営課題

これから社会は人材がより流動的になり、従業員エンゲージメントへの注目がさらに高まります。社内広報は、そうした社会の変化に対して有効に働く可能性を持っています。

閲覧ありがとうございました。この記事が会社経営の手助けになれば幸いです。