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ビジョンの重要性とは?策定ステップと実践法を解説!

ビジョンの重要性とは?策定ステップと実践法を解説!- ourly Mag.

ビジョンとは、企業が事業を通じて実現したい未来を明文化したものです。また、中長期的な視点の目標を達成したのち、企業がどのような姿になりたいかを描きます。

企業理念やミッションなどとセットで語られることが多い言葉ですが、どのような違いがあるのでしょう。また、ビジョンを作ったり浸透させたりするには、どのような方法があるのでしょうか。

本記事では、ビジョンの意味や作り方、実現に向けて浸透させる方法を説明したのち、実際の企業がビジョンに掲げる具体的な事例を解説します。

記事下部では、上場企業100社のミッションビジョンバリューをまとめたシートを配布しておりますので、ぜひご覧ください。

目次

ビジョンとは

ビジョンとは、目指している将来の姿を明示したものです。国家や企業、個人を主体として用いられます。特に企業においては事業を通じて成し遂げたいことを表現しており、「自社の未来のあるべき姿」とも言い換えられるでしょう。

企業としてのビジョン、個人としてのビジョン、双方に用いられる言葉ですが、いずれも将来に向けての方向性を定めるものとして活用されます。企業としてのビジョンは、事業に関わるすべてのステークホルダーが共有し目指していく目標であり、ある程度時代の流れとともに変化していくものです。

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ビジョンとミッションの違い

ミッションは「果たすべき使命」といった意味合いが強く、企業の存在価値や社会的使命を示す言葉です。ビジョンに比べ、「今の企業」について明確に言い表したものであると捉えられます。

このほか、ミッションやビジョンともに用いられる「バリュー」という概念があります。バリューとは、所属する人材にとっての価値観や判断基準のことです。

これらミッション・ビジョン・バリューは、頭文字をとってMVVを表現され、経営学者のピーター・ドラッカーが著書の中でこれからの企業経営において重要であると提唱したことを由来としています。

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ビジョンと経営理念・企業理念の違い

ビジョンと混同しがちな言葉に「経営理念」と「企業理念」があります。

経営理念は、「企業活動の目的」を指します。創業者や経営者の「価値観・思い」が込められているニュアンスがあり、「哲学」とも呼べるものです。

企業理念は「その会社の目的や存在意義」を示すもので、厳密には経営理念と意味が異なります。経営理念は時代背景などによって変わることがありますが、企業理念は創業者の考えや意思を参考に策定されることが一般的です。

これらに対してビジョンは会社の将来について述べたものです。

個人のビジョンとは

個人のビジョンとは、その人材が「将来なりたい姿」です。具体的には「どのように成長していきたいか」「どのような人間になりたいか」といったことを指します。

企業のビジョンと個人のビジョンがリンクしていることは、組織のパフォーマンスに影響します。個人のビジョンは、企業のビジョンが細分化されたものであることが理想です。このような環境では、企業が目指すビジョンのために「個人が何をすべきか」を考えるといった、よい流れが生まれるでしょう。

ビジョンの意義

ビジョンが重要な理由は、企業の発展には欠かせないものであることです。企業規模が大きくなればなるほど、経営者の直接のマネジメントが及ばなくなります。多くの社員に企業としての理念を浸透させ、方向性をそろえるためにビジョンを示す必要があるのです。

ビジョンが重要な理由は、具体的には以下の3つが挙げられます。

  • 企業の方向性を社内外に示すため
  • 社員の行動や判断の基準にするため
  • 社員のモチベーションを上げるため

詳しくみていきましょう。

企業の方向性を社内外に示すため

ビジョンを設定することで、社員をはじめとしたすべてのステークホルダーに、会社が進む方向性を示す必要があるためです。明確なビジョンがない場合、社員がバラバラな考えのもと行動するため、力が集約されることはありません。こうした状態は企業の衰退につながります。

ビジョンを示すことで中長期的な目標を提示し、社員の足並みをそろえ、力を集約できるのです。また、企業の将来像や価値観を示すことは、外部のステークホルダーの賛同を得るためには不可欠なものといえます。

社員の行動や判断の基準にするため

ビジョンは、社員の判断軸としても機能するものです。大局的な経営判断から現場の業務にいたるまで、判断に悩む場合の判断基準として作用します。ビジョンが組織の中で浸透し共通認識となることで、多くの社員が会社にとっての正しい行動をとるようになるでしょう。

また、変化に対応する必要がある場合は、新たなビジョンを浸透させることが有効です。刷新されたビジョンを浸透させることで、新たな行動指針や判断基準として機能するのです。

社員のモチベーションを上げるため

企業ビジョンの浸透は、社員のモチベーションによい影響を及ぼします。自身のビジョンに向けた努力が、企業のビジョン実現にリンクする場合、日々の仕事に意欲をもって取り組めるようになるためです。

ビジョンの浸透は、共通の判断軸の浸透にもつながるため、組織内のコミュニケーションも円滑になり業務がスムーズに進みます。社員の足並みが揃うことで、企業としての一体感が醸成され、さらなる個々のモチベーション向上が見込めるでしょう。

ビジョンの作り方4ステップ

企業規模が大きくなればなるほど、ビジョンを浸透させ社員の足並みをそろえることが、発展に欠かせない要素となります。ビジョンを浸透させるには、多くの社員が共感する必要があるでしょう。ここではビジョンを策定する際の4ステップを紹介します。

  • 1. 事業内容や外部環境を把握する
  • 2. 将来のさまざまな可能性を予測する
  • 3. 将来のあるべき姿を描く
  • 4. 描いたビジョンを言葉にまとめる

詳しく解説します。

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1. 事業内容や外部環境を把握する

まず、自社の事業内容を正確に把握することからはじめます。自社の製品やサービスは、消費者にどのような価値を提供しているのか。また、顧客はどのような人物で、自社が提供する価値にどのくらいの対価を払っているのかを考えることで、自社の事業内容が客観的に把握できます。

加えて、市場全体の状況や競合の動向も踏まえ分析し、自社のポジションを明確にします。こうした詳細な分析により、方向性や目指す姿をイメージするとよいでしょう。

2. 将来のさまざまな可能性を予測する

次は将来に目を向け、さまざまな可能性を予測するプロセスです。できるだけ多くの情報源から情報収集をおこない、世界・国内の情勢や経済・市場動向の予測をします。現状の環境分析もあわせて、あらゆる可能性を加味し議論を重ね、自社の未来を予測していくとよいでしょう。

そのうえで、社会の課題やニーズの変化に対応するために必要なことは何か、できる限り多くの仮説をたて、将来の可能性を予測していきます。

3. 将来のあるべき姿を描く

あらゆる可能性を加味したうえで、その未来において自社が果たすべき役割を考えるプロセスです。変化する社会のニーズに対して、自社がどのような価値を提供していくのか、できるだけ具体的に考えます。

また、このステップでは価値観に言及することも必要です。予測した未来において、会社と所属する社員が「大切にしていくべきこと」は何かを考えます。それは、新たな価値観かもしれません。また、これまで自社が大切にしてきた文化かもしれません。過去も振り返りながら議論をすることで、将来のあるべき姿を描いていきます。

4. 描いたビジョンを言葉にまとめる

導き出されたビジョンを、言語化するプロセスで、ビジョン・ステートメントとしてまとめることが一般的です。自社の社員だけでなく、消費者を含めた社外のステークホルダーにも、明確に伝わる表現を用いなくてはなりません。分かりやすく、興味を引き、共感を集める表現が理想です。

また、新たにビジョン・ステートメントを作成した際は、経営理念との整合性を確認しなくてはなりません。通常、経営理念は不変的なものですが、時代の流れにより見直しを検討する必要があるためです。

ビジョンを社内に浸透させる方法

ビジョンは策定するだけでは意味がありません。多くの社員の共感を得て、行動に変化が表れてこそ意味があるものになります。ビジョンの浸透は、以下のプロセスを経ることでスムーズに進むでしょう。

  • 認知 ビジョンを伝え、知ってもらう
  • 理解 コミュニケーションを図り、理解を深めてもらう
  • 共感 自身のビジョンと企業のビジョンとがリンクする
  • 実践 ビジョンに基づいた行動をとる
  • 協働 ビジョンが浸透し、多くの社員がビジョンに基づいた行動をとる

ビジョンの策定は、この「協働」のステップまでを意識しておこなう必要があるのです。

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企業ビジョンの具体的な事例 

ここでは、企業ビジョンの浸透に成功した、2社の具体的な企業事例を紹介します。魅力的なビジョンは、多くの社員のモチベーションを向上させているようです。

  • サイバーエージェント
  • 無印良品

いずれの企業も優れた企業ビジョンを浸透させたことで、人材の持てる力を最大限に引き出し、事業成長を遂げている点が興味深いところです。企業ビジョン浸透の成功事例として、参考になるものです。

詳しくみていきましょう。

サイバーエージェント

サイバーエージェントの企業ビジョンは、「21世紀を代表する会社をつくる」というものです。進化の早いインターネット領域において、さまざまな分野に事業拡大を図り、変化対応力を磨いています。

基幹事業に加え新たな分野で多数の子会社を創業することで、社員に活躍の機会を提供し「人材力」と「技術力」を高めることに成功しています。企業ビジョンが、事業展開と人材活用のありかたに、密接にリンクした好事例といえるでしょう。

無印良品

無印良品の企業ビジョンは、「良品には、あらかじめ用意された正解はない。しかし、自ら問いかければ、無限の可能性が見えてくる」というものです。

同社は著名なデザイナーを役員に招き、ビジョン策定にあたります。その結果、接客サービスから商品にいたるまで「無印らしさ」が統一された世界観を構築しました。流行にとらわれないシンプルなアイテムや無印らしい店構え・接客が確立され、ブランドとしての独自性を広く社会に認知させるにいたっています。ビジョンの浸透により、ブランディングに成功した好事例といえるでしょう。

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ビジョンに関するよくある質問

ビジョンに必要な要素はなんですか?

ビジョンには以下の要素が必要です。

・「Why(なぜ)」で目的や使命を明確にすること
・「How(どのように)」で価値観や原則に基づく進め方を定めること
・「What(何を)」で具体的な目標や行動計画を示すこと

これにより、共感を生み、全員が一丸となって目指すべき未来像が共有されます。

「個人」のビジョンとはなんですか?

個人のビジョンは、自分の価値観や情熱、興味を反映した将来像です。自身の目標や現時点での優先事項に基づき、どのような自分になりたいかを明確にします。これにより、日々の行動がその目標達成に向けて具体化し、人生の方向性をしっかりと定めることができます。

「ビジョン」の言い換えはなんですか?

ビジョンは、「将来像」や「未来の姿」、「目指すべき方向」、「理想の状態」といった言い換えが可能です。また、組織や個人が達成したい「目標」や「展望」、「指針」としても使われます。これにより、ビジョンは単なる目標設定ではなく、未来への道筋や望む結果を示す言葉として理解できます。

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ビジョンで企業の将来を明確に

将来のビジョンを明確に示し、社員のエンゲージメントを高めることは、企業が発展していくためには欠かせない要素です。

ビジョンは策定するよりも、浸透させ実践につなげることのほうが難しいものです。多くの社員に正しく伝え、共感を集めることがビジョン浸透の第一歩となるでしょう。

そのためにもWeb社内報をはじめとした、社内広報の取り組みが欠かせません。導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

Kanei Yoshifusaのアバター Kanei Yoshifusa ourly株式会社 コンサルティングセールス・組織開発チーム

前職は店舗ビジネス向けの業務効率化SaaS事業を展開する企業でCSに従事。
その後、ourly株式会社に参画。
200社以上の企業に組織課題解決の提案、現在30社の組織開発を支援。
富山県上市町出身。趣味は筋トレ/声マネ/滝行。

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