組織コミットメントとは? 高めるメリットと方法について解説!
本記事は、組織コミットメントが分からない方や、組織に所属していて組織コミットメントが低くなっているため改善したいという方に向けて、1から解説し、組織コミットメントの三要素、高めるメリット、高める方法、具体例を順に示していきます。
組織コミットメントが低いと離職率の増加、生産性や組織力の低下の恐れがあり、高めると組織のパフォーマンスや効率性を向上させるだけでなくメンバーのモチベーションや満足度にも直結するため、組織コミットメントを高めてより良い組織を目指していきましょう。
組織コミットメントとは
組織コミットメントとは、従業員が所属する組織に愛着を持ち、所属することを肯定的にとらえている状態と定義されています。組織コミットメントが高い従業員ほど会社に高い業績や成果を上げやすいとされているため、どんな組織でも重要視される考え方です。
本記事では組織の意識的な改革である「組織コミットメント」について詳しく示していきます。
組織コミットメントが低い組織はどうなるのか
組織コミットメントが低い組織では、社内コミュニケーション量が少なく、組織が活発的に動かないため、従業員のモチベーションも上がりません。
離職率が高い状況であると組織が十分に機能しないため、組織力、生産性が低くなってしまいます。
離職率が高い状態であると、組織は人員が足りない状態に陥ってしまい、生産性が上がりません。そのため、どんな企業でも社員1人1人の組織コミットメントを高めた状態になることを目指しましょう。
組織コミットメントの3要素とは
組織コミットメントは3つの心理的要素で構成されており、「情緒的コミットメント」「存続的コミットメント」「規範的コミットメント」に分類されています。
これら3つの要素についてそれぞれの特徴について解説していきます。
情緒的コミットメント
1つ目は情緒的コミットメントです。
情緒的コミットメントは、会社や組織のメンバーに愛情が沸き、その組織に所属し続けたいと思う気持ちから形成されるコミットメントです。自分の価値観と組織の価値観や目標が一致していればするほど高まります。
つまり、情緒的コミットメントが高い組織では、従業員の満足度も高いです。
存続的コミットメント
2つ目は存続的コミットメントです。
存続的コミットメントは、損得勘定によるもので、報酬や地位などの自分が与えられたものにより、その組織で働きたいと思う気持ちから形成されるコミットメントです。得た報酬や地位からその組織に残りたいと考えるため、福利厚生や労働条件によって高まります。
存続的コミットメントが低い人は、条件面の不満から組織への不満が募りやすいため、より良い条件の組織に移動してしまう可能性があります。
規範的コミットメント
3つ目は規範的コミットメントです。
規範的コミットメントは組織に貢献すべきと考える忠誠心によって形成されるコミットメントです。どんな理由であっても、無条件で組織の決まりに遵守する姿勢で示されます。これは組織のブランドを保つために必要で信頼性や信憑性を高めます。
規範コミットメントの高い人は現存の決まりを遵守し、自ら変化を起こしていくことが苦手です。
組織コミットメントを高めるメリット
組織コミットメントを高めるとどのようなメリットが組織にあり、反対に低いとどのような問題が生じてしまうのか示していきます。
離職率の減少
組織コミットメントを高めた際、効果の出やすいものは離職率の減少です。
組織コミットメントが高いと組織と従業員の関係性が良好な状態であり、結びつきが強く愛着がある状態なので離職率が減少するとされています。
離職率が減少することで人員不足に陥らず、組織に活性化をもたらすため、離職率の減少は企業の成長には必要不可欠と言えます。
コミュニケーションの増加
組織コミットメントが高い状態であると、組織と従業員との信頼関係が生まれ、上司との縦の繋がりや他部署の横の繋がりのどちらともコミュニケーションが活発になります。それに伴い、業務が円滑に行え、新規アイデアが創出されやすい環境となります。
生産性の上昇
組織コミットメントが高い状態であると、組織と従業員の距離が近いため、組織への愛着や忠誠心から業務への集中力が上がり、生産性の上昇が期待できます。それに加え、働く意欲が増加しているため、作業効率も向上し、生産性が上昇すると推測されています。
組織コミットメントを高める具体的な方法
組織コミットメントを高めるには大きく分けると3つの設定・施策があり、それぞれ解説していきます。
働く環境設定
組織コミットメントを上げるために重要であることは「どのような環境で働くか」が大事です。働く環境といってもさまざまな構成点があるためひとつずつ分けて考えていきます。
福利厚生
働きやすい環境づくりには福利厚生の充実度が重要です。従業員の意見を汲み取り福利厚生が手厚いとそれだけ働くモチベーションがあがり、生産性も上がるため、社員の意見を十分に取り入れた福利厚生を作り上げていきましょう。
働く場所の自由
働きやすい環境づくりでは、場所にとらわれずどこでも従業員の能力を生かせるところで働けることが大切です。出社を義務づけないことで、情緒的コミットメントが上昇します。それに加え、出社不要の勤務体制であれば、優秀な人材を日本中から確保できるので、組織の成長も見込めます。
コミュニティーづくり
働きやすい環境では社員がコミュニケーションを取りやすいことが必須条件です。コミュニケーション力を強化することで意見交換、問題解決のアイデアの創出が活発化し、組織力も同時に高まります。社員同士が会話しやすい環境を作るようにしましょう。
個人と全体における目標設定
組織コミットメントを向上するためには組織の企業理念や目標を従業員に示し、従業員がそれに向かって稼働することが大切です。
組織の根本となる考えを浸透させることで組織に一体感が生まれ、さらに組織の理念に基づき主体的に行動できる人が増えると組織の成長にも繋がり、組織コミットメント上昇に繋がります。
組織コミットメントを高めた企業の具体例
実際に組織コミットメントを高めることに成功した企業の例を3社ほど示していきます。
株式会社ヒトクセ「会社に対する不満を0に。アンケート・ヒアリング・人事面談」
株式会社ヒトクセではまず従業員にアンケートを取り、徹底的にヒアリングし、社員一人ひとりと向き合い、あらたな施策を複数行いました。その結果、従業員の不満は解消され、社内の不満を0にすることを成功させました。
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株式会社Colere「B Corpを意識した”サステナブル”なインナーコミュニケーションとは」
株式会社Colereでは世界8か国からフルリモートで働く人がおり、コアタイムなども設けずそれぞれが働きたいタイミングに働くという形です。
Slack上で様々なチャンネルを設けていて、コミュニケーションも頻繁に取れているそうです。
出社を義務にせず、働く時間を制限しないことで情緒的コミットメントの向上が期待でき、組織コミットメントが上昇した例です。
詳しくはこちらをご覧ください。
株式会社Hajimari 「MVPではなくMGP?組織をもっとビジョンドリブンにするためにVをGにした話」
株式会社Hajimariでは自立を意識し、月に1度「MGP(Most Growth Player)制度」の社内表彰で1か月に最も成長した人を表彰する制度です。元々行っていたMVP制度では実績などの成果の数字が表彰基準でしたが、組織が拡大されていく中で役割が増え、数字では測り切れない面の評価を可能にするために、成長のエピソードとともに評価されます。
このように実績の数字だけでなく、成長するという目に見えない点も評価されることによって個人のモチベーションも上がり、組織コミットメントが上昇する組織となります。
詳しくはこちらをご覧ください。
組織コミットメントを高めてより良い組織へ
本記事では組織コミットメントの概要や種類、従業員のやる気を高める方法を記載しました。組織コミットメントを高めることは組織力や従業員のやる気が上がるだけでなく、生産性の向上や離職率の減少を実現するために必要な考え方です。働く環境、目標、理念を再度考え直し、施策していくことで、組織コミットメントを高め、より良い組織を目指しましょう。