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自律型組織とは?種類や取り組み事例、組織作りのポイントを解説

自律型組織とは、従来の階層型組織/管理型組織のトップダウン型と異なり、権限・意思決定が分散された変化に強い組織形態のことで、「自律分散型組織:DAO (Decentralized Autonomous Organization)」とも呼ばれます。

自律型組織にはアジャイル組織、ティール組織、ホラクラシー組織などの種類があります。

この記事では自律型組織のメリット・デメリット、自律型組織を実現するための注意点について解説します。

目次

自律型組織とは

自律型組織とは、権力や意思決定の裁量が分散されている組織のことです。

「自律分散型組織:DAO (=Decentralized Autonomous Organization)」と呼ばれることもあります。

上司の指示に部下が従う従来の階層型組織/管理型組織のトップダウン型組織と異なり、社員ひとりひとりが自分の判断や意思決定に基づいて行動できる組織だと言えるでしょう。

直接顔が見えない環境で働くテレワークやモバイルワークが普及していることを受け、近年自律型組織に対する注目が集まっています。

自律型組織が必要とされる理由

自律型組織は、VUCA時代への突入に伴いニーズが高まりました。

VUCAは「先行きが不透明で将来の予測が困難な状態」を指す言葉であり、「Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)」の頭文字から名づけられています。

近年、市場のニーズやトレンドが短期間で急速に変化するため将来予測が立てづらくなりました。

またグローバルニーズの台頭・SNSを始めとする新たなメディアの誕生・テレワークなど働き方改革への期待などさまざまな要因が絡まるようになり、これまで通用していた企業の成長戦略では生き残れなくなっています。

VUCA時代を乗り切るためには自律型組織が必要であるという声が高まり、導入する企業が増えているのです。

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自律型組織の種類

ここでは、自律型組織の種類を解説します。

類似の言葉である「自律分散型組織」も社員ひとりひとりの意思決定により自律的な運営がされていることで共通しているため、自律分散型組織の種類も含めてチェックしてみましょう。

アジャイル組織

アジャイル組織とは、実行しながら計画を練り上げていく組織のことを指します。

企画から実行まで同じチームが担当すること、短期間のうちに企画・実行・効果測定・改善を何度も繰り返しおこなうことが特徴であり、手を動かしながら試行錯誤してくことが特徴だと言えるでしょう。

上司によるトップダウン型の指導や事前に組み立てた計画ありきの業務にならないため、スピーディーかつ柔軟な対応が可能です。

ティール組織

ティール組織とは、全社員がフラットな組織のことを指します。

上司・部下などヒエラルキー型の階層が存在せず、目標達成に向かって全ての社員が自分で意思決定しながら行動する組織であることが特徴です。

組織全体のパフォーマンス向上だけでなく個人のスキルアップがしやすい組織形態であるとして注目されており、組織進化における最終形態であるとも言われています。

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ホラクラシー組織

ホラクラシー組織も、ティール組織と同様に役職がなく全社員がフラットであることが特徴です。

ティール組織との違いは、所属部門やプロジェクトごとに明確なルールが規定されていることにあります。

ルールやビジネスモデルに基づいたうえで社員ひとりひとりに裁量を与える組織であり、自由と統制のバランスに優れた組織であると言えるでしょう。

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自律型組織を形成する3つのメリット

次に、自律型組織を形成するメリットを解説します。

自律型組織のニーズが高まっている理由を探りつつ、自社に当てはめたときのメリットも明確にしていきましょう。

個性の発揮・現場の意思決定の自由

現場社員に大きな裁量を与える自律型組織では、個性が発揮されやすくなります。

ヒエラルキーによる支配や同調圧力がなく、自分の個性・才能・スキルを遺憾なく発揮しやすくなります。

現場の意思決定が自由になるため、これまで経営層や限られたリーダーからは生まれなかったアイディアが出回りやすくなることもメリットです。

社員が持つポテンシャルを十分に活かしたいときにこそ、自律型組織の強みが発揮されます。

労働意欲・貢献意識の持続

自発的な行動ができる自律型組織に所属する人は、労働意欲貢献意識が向上しやすいと言われています。

「自分に信頼があるから任せてもらえる」「自分で決めたからには結果を出したい」というモチベーションを喚起しやすく、責任感のある働きが期待できるでしょう。

言われたことをただこなすだけの働き方がなくなり、主体性が高まります。

コロナ禍におけるテレワークへの対応

自律型組織は、テレワーク環境にも最適です。

近年新型コロナウイルス感染予防対策としてテレワークを導入する企業が増えているため、ニーズが高まっている理由が分かります。

テレワークは通勤時間やコスト削減効果のある働き方ですが、リーダーからの指示が現場に浸透しないことや意思決定の遅さが課題として捉えられてきました。自律型組織であればテレワーク中でも各々の判断に任せて業務を遂行することができ、オフィス環境下と変わらない働き方ができるでしょう。

多様な働き方が認められるようになっている今の時代だからこそ、自律型組織が必要であると分かります。

自律型組織を形成する3つのデメリット

一方で、自律型組織にはデメリットも存在します。

メリットだけでなくデメリットも正しく認識したうえで、組織運営に役立てていきましょう。

個々の自己管理能力が必要

自律型組織は社員に任せる裁量が多くなるため、個々の自己管理能力が不可欠です。現場を管理・監督する上司がいないためサボりやすく、目標を下げてだらだらと働くこともできてしまいます。

また、意欲のあって積極的に行動する社員と、意欲がなく何事にも消極的な社員とではっきり性質が分かれてしまうこともデメリットだと言えるでしょう。

セルフマネジメントをしながら働くことが重要であり、主体性と責任感が欠かせません。

情報共有が困難

自律型組織は現場ごとに意思決定を任せるため、情報共有が困難であることがデメリットです。

誰にどんな情報を共有すればいいか分からないまま、業務がブラックボックス化してしまうこともあるでしょう。

また、業務の属人化が起こりやすく「この情報はあの人しか知らない」ということも起こり得ます。

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リーダーシップの欠如

自律型組織は強烈なリーダーシップを持って集団を牽引する人が不要であるため、組織全体のリーダーシップが欠如する可能性があります。

トップダウンで組織を動かしたいときにも考え方や理念を浸透させられず、社員がついてこないということも想定できるでしょう。

また、マネジメント人材が上手く育たないことから、いざというときの決定力に欠けることも考えられます。

自律型組織を実現させるためのポイント

最後に、自律型組織を実現する際の注意点を解説します。

下記のポイントを抑えて自律型組織を実現すれば、デメリットを最小限に抑えることができるでしょう。

ミスマッチを防ぐためにも、事前にチェックしておくことをおすすめします。

ミッション・ビジョンの共有と浸透

自社のミッション・ビジョンを全社員に共有し、浸透させておくことが大切です。

組織全体が目指す方向性が分かれば意思決定の軸がブレることもなくなり、個々の裁量を大きくしても迷走することを防ぎやすくなるでしょう。

また「何を基準に意思決定すればいいか分からない」など現場の悩みも減らせるため、業務に集中してもらいやすくなります。

これは自律型組織導入以前から着手すべき項目だと捉え、時間をかけて組織文化を根付かせていきましょう。

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目標の設定:OKR(Objectives and Key Results)

自律型組織には、OKR(=Objectives and Key Results)の設定が欠かせません。

OKRは「目標=Objectives」と「主要な結果=Key Results」を設定しておこなう目標管理手法であり、チーム全体で同じ方向を向いて行動したいときに効果的です。

目標に基づいた慎重管理・個別のフィードバック・改善を短期スパンで繰り返すことから、万が一方向性のズレがあっても気づきやすくなるでしょう。

会社と個人の目標をすり合わせることにも貢献するため、自律型組織形成の際にはぜひ取り入れたい視点です。

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情報をオープンに

自律型組織で欠けがちな情報共有不足を解消するため、意識的に情報をオープンにしていくことがポイントです。

例えば社内報に社員インタビューを連載形式で掲載し、どんなビジョンに基づいて仕事をしているか広く伝える手法があります。

また、部署ごとの取り組みや経営者の考えなどを共有し、組織全体への共感を高めてもよいでしょう。現場の意思決定を支えるための情報は積極的にオープン化し、共有していくことが大切です。

自律型組織の運営に取り組む企業事例

自律型組織の運営に取り組んでいる企業事例として、ブロックチェーン専業のゲーム会社であるdouble jump.tokyo株式会社を紹介します。

社員7人業務委託70人(バックオフィス以外は業務委託)で組織は構成されており、組織や風土でメンバーを繋ぎとめないという意識が感じられます。

個々人によって、double jump.tokyoで働く意味やモチベーションは異なり、愛社精神の有無もそれぞれです。しかし熱量は同程度であるというその背景には「仕事の面白さ」が隠されています。

「まだまだ絵に描いた餅だ」と語る、自律型組織の理想と現状について、詳しくは以下のインタビュー記事からご覧いただけます。

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組織の相互理解を促進 ourly profile

ourly profile(アワリープロフィール)は、個人のプロフィール機能や組織図機能などにより、組織のサイロ化を解消する社内コラボレーション創出ツールです。

3つの大きな特徴により、働き方が多様化した現代・VUCA時代の、強い組織作りに好影響を与えます。

  • 人となりが一目でわかる自己紹介画面
  • 独自の探索機能により、思いがけない出会いを創出
  • 組織図により、チーム・部署を超えて組織を理解できる

顔写真や部署、役職などの基本的な項目以外に、強みや趣味、スキルなどが一目でわかり、コミュニケーションのきっかけが生まれます。

また、全メンバーに共通のQ&Aを設定することができるので、部署・拠点・役職を超えたメンバー同士の相互理解促進にも役立ちます。

サービスページはこちら

ビジョンを共有し自律型組織を実現

自律型組織は、トップダウン型での指示・指導がなくとも自走力を持って成長していく組織となるために欠かせない形態です。

VUCA時代に突入している昨今、収益向上や会社規模拡大を助ける大きな要因となるでしょう。

ourlyは、会社のミッション・ビジョン共有に役立つWeb社内報です。

組織改善に特化したインナーコミュニケーションメディアとして活用できるため、情報共有不足による組織の低迷を避けたいときにお役立てください。

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この記事を書いた人

ourly株式会社組織開発チーム所属。前職はourlyの親会社ビットエーでSEとしてデータエンジニアリングに従事。エンジニアチームのマネジメントや社内イベント企画運営の経験から組織開発に興味を持ちourlyへ。
副業としてコーチングやインタビューライティングを行う。
趣味はスノーボードとスキューバダイビング。

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