プレイングマネージャーとは?役割や注意点、管理職との違いを紹介
プレイングマネージャーとは、部下の育成や管理を行う「マネージャー」でありながら、現場での売り上げに貢献する「プレーヤー」としての役割も担うポジションを指します。
人材不足に悩む企業にとって心強い存在であると同時に、負担が集中してしまう恐れがあるなど注意すべき点もあります。プレイングマネージャーを既に導入してる人事担当者や、今後取り入れる予定がある方にとって、気になることは多いでしょう。
そこで本記事では、プレイングマネージャー導入のメリット・デメリットと必要な能力、導入する際の注意点について詳しく解説します。
プレイングマネージャーとは?
プレイングマネージャーとは、部下の育成や管理を行う「マネージャー」でありながら、現場での売り上げに貢献する「プレーヤー」としての役割も担うポジションを指します。
例えば自身も顧客を抱える営業マンでありながら、部下の管理・監督をする立場の人などが当てはまります。近年はプロジェクトリーダーとして活躍しながら自身もプログラムを組むエンジニアなどが増えるなど、業種・職種の垣根なくプレイングマネージャーを採用する企業が現れています。
プレイングマネージャーの役割
プレイングマネージャーの役割として、プレイヤーとして成果を上げ続けることと、マネージャーとして部下やチームのマネジメントをおこなうことの2つが挙げられます。部下へ指導するだけでなく自ら行動していく、「背中で語る存在」になることが理想と言えるでしょう。
チーム全体のパフォーマンスを上げるため先陣を切って成果を上げつつ、行進の育成に尽力することが求められます。
プレイングマネージャーと管理職の違い
マネージャーや管理職との違いは、個人の実績で組織に貢献する点です。プレイングマネージャーとマネージャー(管理職)は「部下をマネジメントする存在である」という点で共通していますが、個人の実績を上げるのはプレイングマネージャーのみです。
どちらもバランスよくこなすのがプレイングマネージャー、マネジメントのみに専念するのがマネージャー(管理職)とイメージするとよいでしょう。
プレイングマネージャーが増えている理由
プレイングマネージャーが増え始めたきっかけは、バブル崩壊時の人員整理にあると言われています。現在は、少子高齢化による労働人口減少の影響を受け、業種・職種問わずさまざまな企業で慢性的な人手不足が起きるようになりました。
「少ない人員で効率よく業務を回したい」と考える企業が増え、どちらもバランスよくこなせるプレイングマネージャーが重宝されるようになったのです。
プレイングマネージャーに必要な能力
ここでは、プレイングマネージャーに必要な能力を解説します。プレイヤーやマネージャーに求められるスキルとはどう異なるのか、理解していきましょう。
時間管理能力
プレイングマネージャーはプレイヤーを続けながらマネジメントにも着手する必要があり、多忙を極めることが多いです。
プレイヤーのみに終始しているとマネジメントに手が回らず、反対にマネジメントにばかり時間をかけているとプレイヤーとして成果を発揮できなくなってしまうでしょう。そのため、時間管理能力の高さが求められます。
限られた時間でもどうパフォーマンスを上げるか常に思考し、自分なりのスケジュールを組み立てる必要があるのです。
育成能力
プレイングマネージャーに求められる役割として「部下の育成」が挙げられるため、育成能力が欠かせません。自身が持つプレイヤーとしてのノウハウを惜しみなく共有するだけでなく、部下のメンタルヘルスやモチベーションも注意深く確認しながら教育していく必要があります。
高いリーダーシップと共感性を発揮できる人材であれば、周囲からの評価も高まるでしょう。
コミュニケーション能力
年代・性別・役職が異なるポジションの人と常に対話を続ける存在であるからこそ、コミュニケーション能力が求められます。誰にとっても話しやすい存在であれば、気兼ねなく相談できる相手として認識してもらえます。
このような人柄は取引先との信頼関係や新規顧客の獲得で活きることも多く、プレイヤーとしてもマネージャーとしても重要なスキルと言えます。
プレイングマネージャーのメリット
プレイングマネージャー導入のメリットは、先に挙げた「少ない人員で効率よく業務を回したい」というニーズの達成だけではありません。下記に挙げるメリットも視野に入れ、導入可否を検討してみましょう。
生産性が向上する
プレイングマネージャーを導入すると、生産性が向上します。少ない人員で効率よく業務を回せるからこそ、ひとりあたりの生産性が向上するのです。
また、ひとりの従業員がプレイヤーとしてもマネージャーとしても経験を積むことができれば、配置転換の選択肢も増えていくでしょう。個人のスキルアップを図る意味でも、組織運営の最適化を目指す意味でも、プレイングマネージャーを導入するメリットが得られます。
チームメンバーから信頼されやすい
プレイングマネージャーは、部下に指導していることを自ら率先して行動にすることが多いです。「有言実行」「背中で語っている」という評価を得られるため、チームメンバーから信頼されやすくなるでしょう。
反対に、上から目線で指示ばかりしてプレイヤーの気持ちを重んじないマネージャーは疎ましがられることが多くなります。組織としての団結力を高めるため、プレイングマネージャーを導入する企業も増えています。
次期マネージャー候補を育成できる
プレイングマネージャーとして高い成果を発揮する人材は、次期マネージャー候補の対象となることが多いです。チームメンバーから信頼されていて、自らも数字面で成果を上げている人であれば、昇進・昇格の十分な理由となります。
ゆくゆくは部長クラスや経営者クラスになることもあり、現場からの叩き上げで人材を成長させたい企業に向いています。
プレイングマネージャーを設置する際の注意点
反対に、プレイングマネージャーの導入にはデメリットも伴います。
ミスマッチのある施策にならないよう配慮するためにも、注意点をしっかり知っておきましょう。
評価基準が曖昧になりやすい
プレイングマネージャーは、評価基準が曖昧になることが多いです。
売上やリピート率などプレイヤーとして重視される営業的側面ばかりを評価してしまった場合、マネジメント業務へのモチベーションが下がってしまいがちです。反対にマネジメント業務を評価する割合が高ければプレイヤーとしての役割が下がるなど、ジレンマを抱える可能性があるでしょう。
また、定量評価と比較して定性評価の方が基準を可視化しづらく、マネジメント方面での評価に透明性を持たせるのが難しいと感じる企業も多いのです。
業務過多になりやすい
プレイングマネージャーはプレイヤーをしながらマネジメントもするため、業務過多になりがちです。無理な残業・休日出勤が増えてプレイングマネージャーが体調を崩したりメンタルヘルスになったりしないよう、十分配慮する必要があるでしょう。
また、無理な働き方は後進となる部下にネガティブなイメージを植え付けてしまいます。理想的なロールモデルとなってもらうためにも、プレイングマネージャーの働き方に注意することが大切です。
マネジメント業務がおろそかになりやすい
プレイングマネージャーは元々プレイヤー出身であることが多く、プレイヤーとして働くことにやりがいを見出しているケースがあります。売上で後進に抜かれることをよしとせず、マネジメント業務よりプレイヤー業務を重んじてしまいやすいため注意したほうがよいでしょう。
また、マネジメント能力の不足をプレイヤーとしての個人能力で補ってしまうケースも考えられます。
なぜプレイングマネージャーというポジションを与えたのか正しく理解してもらい、納得感を持って業務に当たらせることが欠かせません。
プレイングマネージャー設置におけるポイント
最後に、プレイングマネージャーを導入する際のポイントを解説します。
いずれも導入前に対策しておいた方がよい項目とされているため、現在課題を抱えている場合は早めの改善を意識していきましょう。
マネージャー研修を実施する
マネージャー研修を実施し、マネジメント能力を強化することがポイントです。特にこれまでプレイヤーとして働いてきた人をプレイングマネージャーにする場合、可能な限り研修の場を用意した方がよいでしょう。
これにより、部下から好まれるマネジメントのあり方やチームパフォーマンスを向上させるマネージャーの共通点がわかります。早期のスキルアップが期待できる方法でもあるため、おすすめです。
ロールモデルとキャリアパスを用意する
プレイングマネージャーとしてのロールモデルやキャリアパスを用意し、本人が進むべき道を明示するのが理想です。努力の方向性や求められている役割を理解しやすくなるほか、モチベーションアップも期待できるようになるでしょう。
社内にプレイングマネージャーのロールモデルがいない場合、ロールモデルになってほしいと正直に伝えてもよいでしょう。方向性をすり合わせながら会社としてバックアップしていけば、プレイングマネージャーとして先陣を切ることが誇りのひとつになることも多いのです。
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プレイングマネージャーの導入とともに働きやすい環境作りを
プレイングマネージャーを導入することは、生産性向上・チーム力強化・次期マネージャー候補の育成などさまざまなメリットにつながります。一方、評価基準が曖昧になりやすく業務過多が心配されるなどのデメリットもあるため、働きやすい職場環境づくりが欠かせません。
プレイングマネージャー導入の際は、どのようなポジションであるか社員に周知しておくことがおすすめです。社内報を活用し意義・目的を広めるなど対策し、準備を進めましょう。
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