入社後ギャップが起きる4つの原因と6つの対策|早期離職を防ぐ方法とは?
入社後ギャップとは、仕事内容や環境について入社する前にイメージしていた内容と、入社後に感じた現実との相違を指します。
中にはポジティブなギャップもありますが、多くはネガティブなギャップを意味します。新入社員が入社後にギャップを感じてしまうと、早期離職の原因になってしまう可能性も。
本記事では、新入社員がどのような点にギャップを感じているのか、具体的な内容を紹介します。さらに、入社後ギャップによる問題やそれを生じさせない対策を紹介します。
入社後ギャップを限りなく小さくし、新入社員の定着率アップを目指しましょう。
入社後ギャップを感じるのは当たり前?
人材系大手企業の調査により、2022年新卒社員の4割が「入社前に比べ期待を下回る」と、ネガティブなギャップを感じていることが明らかになりました。具体的な期待を下回ったポイントは、仕事内容やワークライフバランスが多く挙げられています。
これは30歳以上の転職者においても同様で、「入社前に聞いていた情報と実態の違いがあった」と回答している社員は8割近くいるようです。
このことから、入社後のギャップは誰もが感じるものであるというひとつの前提として捉えられそうです。この期待と現実がネガティブに乖離しており、早期離職にもつながりうる現象を「リアリティショック」と呼びます。
しかし入社後ギャップには、ポジティブなものとネガティブなものがあります。特に新卒社員においては、初めて会社で働くという人も多いため、期待値調整には工夫が必要です。まずは入社後に感じやすいギャップの具体例を確認しましょう。
(出典:レバレジーズ株式会社,「新入社員の6割が入社後、「仕事内容」にギャップを感じている」, <https://leverages.jp/news/2022/0314/2976/> , 2022年12月閲覧)
入社後に感じる4つのギャップ
「実際に入社してみたら、イメージと違った」と新入社員に感じさせてしまうことは、早期の離職の原因になりかねません。ネガティブな入社後ギャップは、可能な限り生じさせないほうが賢明です。
新入社員が感じやすい入社後ギャップは、以下の4つであるといわれます。
- 仕事内容のギャップ
- 企業の社風や労働環境のギャップ
- 給与や待遇のギャップ
- 人間関係のギャップ
いずれのギャップも入社したばかりの新入社員にとっては、ショックに感じるものばかりです。
詳しく見ていきましょう。
仕事内容のギャップ
入社後ギャップの代表的なものに、「想定していた仕事内容と違う」ことが挙げられるでしょう。
例えば、「希望した部署に配属されなかった」「人手が足りておらず、いきなり担当をまかされた」といったケースです。
すべての希望を考慮した配属は難しいでしょう。しかし、適性を考慮することが望ましいといえます。
いきなり責任のある仕事を任せた場合、プレッシャーにより離職のリスクが高まります。やりがいが感じられなかったり、成長の実感が得られなかったりする場合も同様です。
企業の社風や労働環境のギャップ
イメージしていた社風と違う場合、入社後ギャップを感じてしまいます。具体例としては、「成長できる環境だと思って入社してみたら、先輩や上司が仕事を教えてくれない」といったことが挙げられるでしょう。
労働環境のギャップは大きな問題となります。「残業はほとんどないと聞いていたのに、長時間労働や休日出勤が常態化していた」といったケースです。
昨今の若手人材は、ワークライフバランスを重視する傾向が強いといわれます。過酷な労働環境は、「長く働ける会社ではない」という判断につながり、早期離職の原因となるでしょう。
給与や待遇のギャップ
給与が求人票に提示された金額より低い場合、不信感につながります。早い段階で退職の決断をさせてしまうかもしれません。
また、賞与や昇給についても入社前の説明が不足すると、ギャップが生じやすいようです。
給与や賞与といった金銭的な待遇は、生活に直結する大切な要素です。
虚偽の労働条件を求人票に載せた場合は違法となるケースもあります。虚偽でなくとも十分に説明して、誤解を生じさせない配慮が必要です。
人間関係のギャップ
職場の人間関係にギャップが生じた場合も、早期離職のリスクは高まります。「面倒見の良い先輩がいると聞いていたが、仕事を教えてもらえない」といった例が挙げられるでしょう。
新入社員は、入社したばかりの時期は不安を抱えやすいものです。適度に先輩社員や上司が関わることで職場に馴染んでいきます。この時期に冷たい印象を与えてしまうことが、人間関係のギャップにつながります。
職場は1日の大半を過ごす場所であり、職場の人間関係が働く意欲に大きく影響を与えることを忘れてはいけません。
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入社後ギャップによる問題
入社後ギャップが生じた場合、早期離職のリスクが高まることは前述した通りです。その結果、以下に挙げるような問題に発展することも考えられます。
- 採用コストの損失
- 企業イメージの悪化
- 既存社員のモチベーション低下
早期離職が発生すると、採用や教育に欠けたコストは無駄になります。新人の定着率が悪い企業はイメージの悪化を免れません。新入社員の早期離職は既存社員にも悪影響を及ぼすでしょう。以下に具体的に解説します。
採用コストの損失
入社後ギャップにより早期離職が発生した場合、それまでに費やした採用コストは無駄になってしまいます。求人媒体の費用や、採用担当者の人件費、採用活動にかかった費用を計算すると、決して少ない額ではないはずです。
また、研修を実施していた場合、教育にかかったコストも無駄になってしまうでしょう。
さらに再度、募集をおこなう場合は、その分の費用もかさむことになります。
入社後ギャップによる早期離職は、コスト面の大きなダメージになることを忘れてはいけません。
企業イメージの悪化
入社後ギャップを感じ離職した元社員が、SNSに情報を発信することが考えられます。その結果、悪い企業イメージが拡散されてしまうかもしれません。
近年、求職者はさまざまな媒体から企業に関する情報を収集します。実際にその企業で働いていた元社員の口コミは、事実と異なるものでも容易に信じてしまうかもしれません。
入社後ギャップに関する悪い評判が広まると、採用活動に支障をきたすことも考えられます。
また、離職率は多くの媒体で記載しなくてはなりません。早期離職が多い企業は、「何らかの問題があるのではないか」と求職者から敬遠されてしまうでしょう。
既存社員のモチベーション低下
新入社員が定着せず次々と辞める環境は、既存社員のモチベーションにも悪い影響を及ぼします。新人に担当してもらうはずの業務を負担しなくてはならなくなり、ストレスを抱えやすくなるでしょう。場合によっては過重労働につながるかもしれません。
また、離職に至らずとも、新入社員が不満を抱えたまま勤務することも問題です。
モチベーションが上がらないまま勤務することで周囲との軋轢を生じ、職場全体のストレス要因となってしまう恐れがあります。
入社後ギャップを生じさせない対策
入社後ギャップが生じた場合、早期離職などの問題で社内外に悪影響を及ぼす点は前述しました。入社後ギャップを生じさせないためには、採用担当者を中心に配属先や経営層も交えた取り組みが必要です。
具体的には、以下6つの対策が有効です。
- 現場がどのような人材を欲しているか理解する
- 求職者に適切な情報発信をする
- 入社前インターンなど業務体験を実施する
- 社員との面談・座談会を組む
- 面接で求職者を見極める
- 入社後に求職者へフォローアップする
詳しく見ていきましょう。
現場がどのような人材を欲しているか理解する
採用担当者が、「現場が求める人物像」を明確に理解できていない場合、入社後ギャップが生じる可能性が高まります。現場の業務を十分に理解していない場合も同様です。
採用担当者は、配属先で必要とされるスキルや、業務内容を含めた実情を事前にヒアリングしておく必要があります。そのうえで、現場責任者と採用したい人物像を明確にすり合わせておくと良いでしょう。
もちろん、入社後の上司となる配属先の社員に、面接に同席してもらうのも良い方法です。
求職者に適切な情報発信をする
自社の良い面だけを強調しすぎると、入社後ギャップにつながる恐れがあります。ありのままを発信することが望ましいでしょう。
残業など仕事の大変さや、まだ制度として整備されていない点など、マイナスの要素も確実に伝えます。マイナス情報を伝えることに抵抗を覚えるかもしれません。しかし求職者は、逆に「誠実さ」と捉えるものです。
適切な頻度で分かりやすい情報を提供し、求職者に自社を理解してもらうことが、入社後ギャップの防止には不可欠です。
入社前インターンなど業務体験を実施する
入社前にインターンシップを実施するなどして、求職者に業務を体験してもらうことも良い施策です。
実際の職場で業務を経験することで、少なくとも業務内容に関するギャップは生じないでしょう。職場の雰囲気も理解できるため、実際に働く姿をイメージしやすくなります。
インターンシップは、稼働日に実施することがポイントです。先輩社員が働いている姿を見ることが、より具体的な働くイメージにつながるためです。
社員との面談・座談会を組む
選考プロセスに先輩社員との座談会を組み込むのも良い方法です。自社で働く先輩社員の目線で、会社や仕事内容を語ってもらえば、入社後の姿を具体的にイメージできるでしょう。
会社説明会やホームページの会社情報だけでは伝わらない、現場の「生の声」を伝えることで、会社が抱える課題や仕事の大変さを事前に理解してもらえます。
そのうえで、自社と仕事内容に魅力を感じてもらえると良いのではないでしょうか。
面接で求職者を見極める
求職者を見極める面接力の向上も、欠かせない取り組みです。面接官は、求職者の能力や適性、性格特性を正しく把握し判断しなければなりません。
しかし、それだけでは不十分です。求職者が自社の現状や業務内容をどれくらい理解しているのか、確認するプロセスを設けると良いでしょう。
また、面接官による採用基準のばらつきをなくす取り組みも必要です。共通の評価シートを用いて質問を共有するなど、面接内容を構造化するのも1つの方法ではないでしょうか。
入社後に求職者へフォローアップする
入社後のフォローを確実におこなうことで、入社後ギャップを解消できる場合があります。定期的な先輩社員の面談など積極的な関りにより、新入社員が抱える悩みに寄り添う姿勢を示すと良いでしょう。
気軽に相談しやすい雰囲気があれば、新入社員が抱える悩みを知ることができます。こうした相談により、職場で発生している問題改善のヒントにつながるかもしれません。
1on1ミーティングや、メンター制度を、入社後ギャップ解消の施策として実施することが効果的です。
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入社後ギャップをなくせば早期離職の防止に
入社後ギャップは、採用の段階から適切な関わりをもつことで、ある程度は防げるでしょう。求職者にはマイナス要素も含め、ありのままの情報を正しく伝えることが大切です。その上で、自社の魅力を伝え、入社動機を高めてもらわなくてはなりません。
会社の最新情報を伝える手段としては、定期的に発行される社内報を活用する方法もあります。社内報を内定者に見てもらうことで自社の現状や魅力を伝えつつ、入社後のイメージを高めてもらうことも可能です。
入社後ギャップ防止の施策として、取り入れるのも良いかもしれません。