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帰属意識とは?エンゲージメントとの関係性や高める方法、事例を解説

最近では、働き方の多様化や終身雇用性の崩壊の影響で、会社と社員、社員同士の距離が離れてしまい、帰属意識が薄れてきています。また、エンゲージメントが注目されるなか、帰属意識の必要性も疑われています。

この記事では、帰属意識の向上には効果はあるのか、エンゲージメントとの関係性、向上の方法・事例について詳しく解説していきます。

目次

帰属意識とは

帰属意識とは、自身がある特定の組織や集団に属し、その一員であるという意識を意味します。

これは単に会社だけでなく、家族、学校、宗教、国や自治体など、属しているすべてのコミュニティへの意識を指します。元は精神分析学・社会心理学で使われている用語で、コミュニティに対しての貢献度が大きいと帰属意識は高くなり、自身は必要とされていないと感じると帰属意識は低くなります。

帰属意識とエンゲージメントの関係性

帰属意識と似た言葉として、エンゲージメントがあります。以下で帰属意識との関係性を解説します。

帰属意識=会社やチームに属しているという社員の意識

エンゲージメント=社員と会社の双方的な関わり合い

エンゲージメントとは、会社と社員が双方向的に関わり合い、互いの成長や成功が、相手の成長や成功に寄与している関係を意味します。そのためエンゲージメントが高い状態では、社員は会社のビジョンやゴールを理解した上で、自発的に発言・行動を行うでしょう。また社員間の関係も良好であるという特徴も挙げられます。

エンゲージメントと帰属意識は、上図のようにエンゲージメントが土台となり、その上に帰属意識が存在する関係性を持っています。つまり、エンゲージメントを高めることが、帰属意識を高めることにつながるということです。

とはいえ、帰属意識がエンゲージメントの上位概念というわけではありません。

むしろ帰属意識は会社そのものへの一方通行の所属意識であるのに対し、エンゲージメントは会社と社員の間で生まれる目標達成欲求であるため、エンゲージメントの方が重要な概念であるとも言えるでしょう。

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帰属意識を高めるメリット

ここでは、社員の帰属意識を向上させることによるメリットについて解説します。

社員のモチベーション向上

帰属意識の向上は、社員のモチベーションを高めます

自身が所属する会社やチームの一員としての意識が高い状態であると、その会社やチーム、他社員に貢献したいという意欲が生まれ、仕事全般に対するモチベーションの向上が見込まれます。

また、そうしたモチベーションの向上は、さらなる帰属意識の向上に寄与します。モチベーションが向上すれば、成果や人間関係も良好になり、それまで以上に帰属意識が高まるという好循環が生まれるのです。

社員の定着率向上・離職率の低下

定着率向上・離職率を低下させることが期待されます。

社員の自身の会社に対す帰属意識が高ければ、その会社やチームには自身が必要であるということを強く認識するようになり、責任とともに愛着を感じ、その会社を離れることが少なくなります。

離職率・定着率が高まれば、社外からの評価も向上するため、特に採用面に好影響を与えるでしょう。

コミュニケーションの量・質の向上

帰属意識の高い社員が集まり組織では、コミュニケーションが活発になります。

どんな社員でも、自らと熱量に差がある社員と話すより、同じ熱量で働いている社員との方がコミュニケーションを取りやすい傾向があります。帰属意識が高まれば組織としてのスタンダードが上がるため、会話が活発になり、仕事に関わる報告・連絡・相談も増えていくでしょう。それにつれ、部下の成長速度も上がります。

また、帰属意識は会社への愛着としてあらわれるため、会議での積極的な発言も増え、コミュニケーションの質・仕事の質としても向上します。

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社内コミュニケーションの活性化は、組織にあった施策を適切に行い続けることで実現します。しかし、組織にあった施策を選ぶことは難しく、成果も見えづらいため、活性化に成功する企業は多くはありません。

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帰属意識が低下する原因

それでは、帰属意識が低下する原因とは何でしょうか。主にふたつ挙げられます。

働き方の多様化

テレワークの導入や徹底した定時退社など、ワークライフバランスを重視した働き方が浸透してきました。これにより社内コミュニケーションは減少しています。

会社という組織・人に関わる時間の減少が会社への愛着の醸成を損なっているのです。

終身雇用崩壊での価値観の多様化

終身雇用とそれに伴う年功序列・評価制度が崩壊し、成果主義の傾向が強まっています。これにより社員は自身の成果やキャリアへの関心を強め、反対に会社への関心を失っています。

こうした傾向は、「転職が当たり前になってきた」と言われていることからも明らかです。

帰属意識を高める方法

では、実際に帰属意識を向上させるにはどのような方法があるのでしょうか。

理念・ビジョンの浸透

帰属意識を高めるひとつ目の方法として、その会社の理念・ビジョンを社員に浸透させることが挙げられます。

会社は、その理念に従って、経営方針といった大きな取り決めから、日々の社員の行動指針などの小さな取り決めまでを決定しています。その会社の理念と社員の理念がそぐわない、もしくは認識の違いがある場合には、仕事のあらゆる場面ですれ違いが生じるでしょう。

また、会社のビジョンを認識できていないと、社員は、自分が日頃行っている仕事が会社全体のビジョンに対してどのように貢献しているのかを理解できず、その必要性を認識ないものです。

具体的な施策としては、社内報や研修の活用が挙げられます。

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社内コミュニケーションの促進

帰属意識を高める二つ目の方法として、社内コミュニケーションの促進が挙げられます。

帰属意識の低下の大きな原因として、日頃仕事を共に行う社員同士の人間関係が挙げられますが、その改善に役立つものとして社内コミュニケーションの促進による効果が期待できるということです。

社内コミュニケーションを促進させる具体的な方法として社内SNS、社内イベント、オフィスレイアウトの変更がおすすめです。以下の記事も参考にしてみてください。

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適切な人材配置

社員の長所や短所、興味関心などに合致した適切な人材配置も帰属意識を高める重要な項目になります。

社員が自身の持つ力を発揮できたり、自身が興味関心を持てたりする環境に人材を配置することで、その社員の会社に対する貢献度合いや人間関係の向上に効果をもたらし、結果として帰属意識の向上が期待できます。

自信が活躍できない職場や仕事では、自身の必要性や積極的な人間関係の構築が難しいものです。適切な人材配置により、社員が活躍できる環境を整えることで、社員がのびのびと仕事に取り組めるようにしましょう。

併せてタレントマネジメントや1on1ミーティングを活用すると、効果的な人材配置ができます。

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評価制度の見直し

人事評価制度の見直しは、適正に評価されている実感の創出と、会社への愛着醸成、離職の予防につながります。

大幅な変更を行わずとも、能力/業績/情意評価などの評価基準のウエイトを変更したり、そういった変更・改善を社内にアナウンスすることで、帰属意識に好影響を与えられるでしょう。

関連して、目標管理制度や社内表彰制度の導入も効果的です。社員の成長をサポートし、キャリアプランの実現、モチベーション向上に役立てることできます。

近年は、従業員満足度の高い評価手法もいくつか一般化してきました。以下の記事では、360度評価やノーレイティングなど具体的な評価手法を紹介しています。

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適切な人材配置をサポート ourly profile

ourly profile(アワリープロフィール)は、個人のプロフィール機能や組織図機能などにより、組織のサイロ化を解消する社内コラボレーション創出ツールです。

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  • 独自の探索機能により、思いがけない出会いを創出
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顔写真や部署、役職などの基本的な項目以外に、強みや趣味、スキルなどが一目でわかり、コミュニケーションのきっかけが生まれます。

また、全メンバーに共通のQ&Aを設定することができるので、部署・拠点・役職を超えたメンバー同士の相互理解促進にも役立ちます。

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帰属意識を高めた事例5選

それでは、実際に企業はどのように帰属意識向上を成功させているのかを見ていきましょう。

前章では具体的な施策を紹介しましたが、帰属意識を高める手法は企業によりさまざまで、それぞれオリジナリティがあります。

これらの成功事例を参考に、自社での取り組みを検討してみてください。

ourly Mag.
インナーコミュニケーション企業事例 アーカイブ - ourly Mag. インナーコニュニケーションに関する企業事例を実際にインタビューし、各社の施策を紹介します。

ニトリ -社内報-

家具メーカーとして有名なニトリは、40年以上途切れることなく社内報を発行し続けています。

社内報を発行する理由は多岐にわたり、トップの想いや会社の方向性を従業員に共有することに加え、社員が自律したキャリアを描くためのサポート従業員同士のつながりの強化、そして、社内コミュニケーションの活発化といったことが挙げられています。

会社のビジョンやゴールを共有すること、そして次章で述べますが、社内コミュニケーションを促進し、社員間のつながりを深めることなど、帰属意識に効果をもたらす取り組みを狙いを持って行っていることが分かります。

(引用:ニトリ株式会社, 「40年以上の歴史があるニトリの社内報─社内報制作も自前主義!従業員のキャリアを本気で応援」, 〈https://www.nitorihd.co.jp/nitorimedia/culture/post-3217/〉, 2021年1月閲覧)

Yahoo! Japan -オフィスレイアウトの工夫-

具体的に取り組む企業事例を参照してみましょう。

IT企業として有名なYahoo! Japanは、「オープン・コラボレーション」と題して、オフィスのレイアウトを工夫することにより、社員間コミュニケーションの活性化を見込む取り組みを行いました。

オフィスのレイアウトを、机をジグザグにしたフリーアドレスにすることで、結果として従来の約2倍のコミュニケーションを生むこととなりました。

既存のレイアウトの変更と制度の工夫といった、費用をかけずに行うことができる取り組みの例として非常に参考になります。

(引用:Yahoo! Japan株式会社, 「『変えたいのは働き方』ヤフーの新本社オフィス」, 〈https://about.yahoo.co.jp/info/blog/20161007/kioicho.html〉, 2021年1月閲覧)

ユナイテッド -メンター(1on1)制度-

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まとめ

帰属意識は、「自身がある特定の組織や集団に属し、その一員であるという意識」を意味し、ビジネスの分野だけでなく、幅広く用いられる用語です。

離職率の低下やモチベーションの向上には、帰属意識を高めることが効果をもたらします。また、エンゲージメントを向上させることによって帰属意識を高めることができるということも認識しておきましょう。

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この記事を書いた人

Kanei Yoshifusaのアバター Kanei Yoshifusa ourly株式会社 コンサルティングセールス・組織開発チーム

前職は店舗ビジネス向けの業務効率化SaaS事業を展開する企業でCSに従事。
その後、ourly株式会社に参画。
200社以上の企業に組織課題解決の提案、現在30社の組織開発を支援。
富山県上市町出身。趣味は筋トレ/声マネ/滝行。

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